君と過ごした時間は【長谷川慎】 (ページ3)

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正直に言ってしまえば、本当にそれまでの間柄でしかないと思っていた。

…俺が求めてなかったのかな。

無難に3年を過ごせればそれで十分だとは思っていたし、高校生の色恋沙汰には全くと言っていい程興味が湧かなかった。

…俺も高校生なんだけど。

それでも君は俺に積極的に話しかけてくるようになっていて。

…友達、と呼べるくらいの関係にはなれていたと思う。

5月くらいに君とこんな会話をした気がする。

A)…長谷川くんは私のことどう思ってるの？

慎)…え？笑
どうしたの、いきなりそんなこと笑

A)なんとなく気になっただけ！
そんな深い意味は無いよ笑

慎)…ふぅ～ん……

A)…どうでもよさそう笑

慎)……ん～、俺なんかに話しかけてくるクラスメイト。

A)え！？なんか変な人認定されてるみたいじゃん！

慎)そうとも言う。

嘘でしょ～なんて。

がっくり肩を落とす素振りを見せた君。

平気そうに俺に笑顔を向けた。

でもその笑顔は何処か儚さを帯びていて。

…俺は何も言えなかった。

確信すら持てていなかった。

"君を悲しませてしまったのかもしれない"

そんな考えが頭を過ったけど。

気付かないフリをした。