time 4 ページ5
高校に入って初の期末考査ももう全ての答案が返却された。
まぁ、まぁまぁ。
赤点取らなきゃいいだけだから。
A)長谷川くん結果どうだったのー?
慎)うわっ、勝手に見んなって。
A)ふんふん、300人中125位ですか。
半分くらいなの?いつも。
慎)…それが何か。
つか返して。
A)あ。
慎)…あんたは?何位なの?
A)ふふ、聞いて驚け!
堂々の1位なのです!
目の前には結果が書かれた紙。
いや近い。
よくよく見れば学年席次は1位。
慎)…世も末だね。
A)なんで!?
慎)…いつもはっちゃけてるから、勉強もそのままの感じなのかなって。
A)それは褒めてるの?貶してるの?
…難しい質問だな。
ちょっとだけ揶揄ってみただけなんだけど。
慎)…あなたのいいとこなんじゃないんですか。
A)……
え、なんで黙るの?
変なこと言ったっけ俺。
A)…えへへ、でしょー!
恥ずかしそうにはにかんで、俺にピースを向ける。
…彼女のこういう飾らないところがいいのだろうか。
慎)…そーゆーのがなければの話だけどね。
A)えっ。ちょ、えぇっ、?
そう言い残して俺は席を立つ。
A)長谷川くん?何処行くの!
慎)帰るの。
A)ちょっと待って、私も帰るから!
慌てて支度をする彼女を待つことなく教室を出た。
横に並んで帰ってたら。
彼女にこの締まらない顔見られそうな気がしてならなかったから。
201人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れい | 作成日時:2020年5月20日 21時