君と過ごした時間は【長谷川慎】 (ページ12)

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A)……あ…、駅着いちゃったね、笑

慎)……うん、

駅の明かりで、しっかりと表情が見えるようになる。

彼女は淋しそうに目を細めた。

駅に着くまで、っていう約束は有効なのか。

自分で言ったくせに撤回したがっている。

…でも答えたくもないのかも。

色んな思いが、気持ちが駆け巡りまくって頭の中がごちゃごちゃ。

…どう言えば、君は笑ってくれるかな。

A)…最後の質問には答えないでね。

慎)え、？

A)約束、破っちゃうことになるでしょ？

そう言った彼女はとても苦し紛れで。

…声は今にも消え入りそうだった。

…なんで俺は彼女にこんな顔しかさせられないんだろう。

自分が嫌になる。

慎)…じゃあここから、君が乗る電車が来るまで。
……俺がする質問に答えてよ。

A)！
……わか、った……

…俺が乗らなきゃいけない電車は今出発してしまった。

次の電車が来るまで30分くらいかかるから暇潰しにでも、って思ったりなんかして。

……ほんとは俺が1番聞きたがってるのかもしれないけど。

…それは黙っておいた。