8話 ページ8
グルッペンに言われて翌日からエーミールやマンちゃんに歩き方やマナーなどを教えてもらいパーティー当日になった
そして今現在パーティーに間に合うように早く起きてドレスを選んでいる最中だ
「……」
「Aむすっとしいへんの
ほら今日頑張れば終わりやからな！」
マナーや歩き方などは我慢出来たけど、ドレスは着たくない
基本スカート系は履かないし動きづらいから嫌なのだ
「んもー！俺が勝手に選ぶよ？！」
「ええよ別に」
素っ気なく返すと軽くため息をつかれ、ドレスを選びに行った
「ほいこれね」
しばらくすると上から声が聞こえて仕方なく見上げるとそのドレスに息が止まる
俺が女っぽい服装が嫌いだからの考慮かもしれないが、フリルが少なめの緑より少し深い色のドレスだった
「なーに見とれとんの？珍しいけど時間ないからはよ着替えてな」
マンちゃんに背中を押され無理矢理試着室に入れられる
ドレスに着替えてカーテンを開けるとマンちゃんの顔が少し赤くなった
「……っ、おん綺麗やで」
「可愛いと言わないだけマシやな」
「よし最後はメイクな」
メイク台に座らされマンちゃんがテキパキとメイクや髪をお洒落にしてくれる
何かこの色ゾム兄に抱きしめられとるみたいで安心する……
とその間ぼんやりと思っていた
「お待たせ」
「やっとか随分待ったゾ」
「女の子は時間掛かるものなの」
そう言ってマンちゃんの後ろにいる俺を1歩横にずれる
そこにはグルッペンと何故かゾム兄も居てじっと俺を見ていた
「？何や」
「……いや何でもない
ゾムは護衛として付いてきてもらうから」
普段パーカー姿のゾム兄が正装していてボサボサな茶髪もひとつ結びで結んであった
「ゾム兄が顔を露にしてんの久しぶりに見たな」
「Aもな」
「よし行くゾ」
グルッペンに続いて俺達も歩く
後ろからマンちゃんが気を付けるめうー！お土産もよろしくな！と見送ってくれた
馬車に乗り色々と雑談しながらパーティー会場へと向かった
今日のゾム兄
「今日もクリーパーカーで俺とペアルックやな！……いつもそうやろ？でも俺の事好きじゃなかったらお揃いの格好せえへんやろ。ありがとーな」
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作者名：おかゆ | 作成日時：2018年12月31日 10時
