ドS探偵★2【緑】

ドS★50 ページ21

ずんずん進むAさんとマル。


一方の俺は、なかなか足が前に進まへん。


怖いって思えば思うほど俺の中の恐怖心がふくらんでいく。


大「さ、最初にどこ向かってるんですか…」


「決まってるでしょ、前園の死んでた教室よ。」


丸「たしかー…図工室？」


「そうよーどうせなら理科室とかの方が雰囲気あっていいのに。犯人もセンスないわよねぇー」


センスって…


理科室やなくてよかったぁー。


周りは真っ暗。見えるのは俺の懐中電灯で照らしている範囲だけ。


ガタ…


大「い、今、なな、なんかガタって！！」


「はぁ？ネズミかなんかじゃないの？(笑)」


丸「もーほんまビビりすぎやで(笑)」


そっか、ネズミか…。ネズミや、ネズミ。なんでネズミなんかにこんなにビビってんねやろ。


ガラガラガラ


Aさんが、なんの躊躇いもなく図工室のドアを開ける。


ここで前園が死んでいた。


そう思うと、周りの空気は重く冷たく、より一層恐怖が増す。


「警察がすっかり片付けちゃってるわね、血痕ぐらい残ってるといいけど。」


丸「これが現場検証ってやつですねっ！」


血痕なんか見たないわ！



あーやばい、寒気がする！


ガタン


大「うわぁぁぁぁぁ！！！」


丸「なに！？」


「ちょっと！！」


大「今、今ガタンって！！」


「はぁ？また忠義くんの空耳？こっちは捜査してんのよ。勘弁して！」


丸「ネズミ、ネズミ！」


いや、今のは思いっきりがタンって聞こえたって！！


これ空耳やないよ！！


それとも、俺にだけ聞こえるとか…


「なーんもいいものないわね。手がかりもないし。」


丸「よくわかんないですけど姫様は絶対ですからね！」


大「は、はよ帰りましょ…」


とにかくこの場から立ち去りたい。


ものすごく嫌なかんじがするのは、俺だけ？

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