恋愛げーむ[Ryosuke]

41 ページ41

｢…Aさん、｣



『…え？』








女の子に話しかけられるのは久しぶりだし、
自分に話しかけられたと気づくのは時間がかかった。








そこに居たのは2、3人の女の子。




いつものいびりかと思って思わず身構える。









｢今日の数学の宿題、教えて欲しいんだけど。｣



『え、私に？』



｢Aさん、頭いいんでしょ？｣



｢昨日の範囲難しくてよくわからないのに
今日テストあるから…｣



『いい、ですけど…』









これは、どういう風の吹き回しだ？









『…それであとはここに
さっき出したこれを代入するだけ。』



｢え！こんなのでできるの？｣



｢すごい簡単！｣



｢わかりやすい!!｣



｢ありがとう！また教えて!!｣



『どうして私に…？』



｢…わたしたち、噂を丸のみしてたけど、
実際にAさんが男の子と遊んでるのは見たことないし、｣



｢たしかに山田くんに近づきすぎじゃない？とは思うけど、なんか違うって言うか、｣



｢何より、本当はいいひとなんだ、って聞いたから。｣



『…誰からですか？』



｢…それは言えないよね、
本人が言わないでって言ってたから。｣




『…え？』






｢ねえねぇっ、それよりAって呼んでもいい？｣



｢そうだよ！敬語もなし！｣








『…う、うん、』









誰なんだろう、そんなことを言ったのは。

42→←40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す