恋愛げーむ[Ryosuke]

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涼｢…しっ！ならはし！｣









遠くから山田くんの声が聞こえた気がして体を起こす。






あれ、いつの間に寝ちゃってたんだろ、




閉じ込められてるくせに寝るなんて、

我ながら呑気だな、







『えっ、』






さっき降り始めたらしい雨はいつの間にか
体育倉庫を強く打ち付けていて、
ところどころ雨漏りしていた。








『わっ、』









肩に雨が当たって跳ねる。









涼｢ならはしー！！｣







山田くんの声、やっぱり聞こえる。






来てくれた、なんて思ってしまった気持ちを

慌てて押し殺す。







気づいちゃったんだ、私の心は。




彼が…山田くんが好きだって。








でも、私は彼にはもう近づけない。







涼｢…どこにいんだよ、｣








すぐ近くにいる、だけど、
ここまで来ちゃダメなんだ。









涼｢くっそ、｣







どうして探しに来たの、


私なんかただのクラスメートのはずなのに。









『…ごめん、なさい』









これ以上山田くんの声が聞こえないようにって、

目を瞑って、半袖から出た腕を隠すようにうずくまった。

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