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242時 ページ45

『そっかぁ、聞いちゃったのか。』



裕「うん、たまたま。」





前々から美紅と話していた、
裕翔のこと。


本人の意見を聞こうと思ってたんだけど、
最近は雄也のことで忙しくて、
すっかり聞けずにいた。




まぁ、裕翔は多分喜んで行くだろう、って
分かってたしね?





裕「俺は、ふたりのところに行きたい。」



『…そういうと思ってた。
いいよ、いってらっしゃい。
たまには帰ってきてよー?』



裕「分かってるって。
それで…一つお願いなんだけど…」



『お願い…?』



裕「美紅には、
僕はただのうさぎに戻った、ってことにしてほしいんだ。」



『“ただのうさぎに戻った”…?
どうしてそんなこと…』



裕「今までも、もちろん今も、
美紅のことが好きで。

でも、美紅と光くんの幸せな二人の姿は
ずっと見ていたいんだ。

だから僕は、この気持ちに蓋をする。」



『裕翔…』



侑「“己が強く願う時、
望んだ姿になれるだろう”…」



慧「知念、それって…」



侑「やっぱりみんなにも聞こえてたんだ。」




『……何の話?』



侑「ちょうど、雄也がここを去った日、
僕達みんなの頭に聞こえてきた。

多分、雄也の頭にも聞こえてたんだと思う。


人間になりたいと強く願う時、人間になれるだろう。
動物のままがいい時、人間には戻れないだろう。


もしも、動物に戻りたい、そう強く願えば、
一生人間には戻れない。
僕達とも会話できなくなるし、
多分、寿命も動物のままだ。」



裕「…それでも、俺は動物のまま、
彼らと過ごしたい。」



侑「裕翔…」



『それについて決めるのは裕翔本人だから。
誰も文句を言う権利はないよ。』



裕「A…


俺ね、まだAに昔の話してなかった。

なんで僕が人間になれるようになったのか。




僕の前の飼い主、
うさぎが大好きで、すごく可愛がってくれた。

でも僕は、うさぎのおちこぼれだったんだ…」




『おちこぼれ?どういうこと?』




裕「小さい頃に怪我をして、
大したことないって思ってたけど、
それからジャンプすることが出来なくなった。

それに気づいた飼い主さんは僕を気遣って、
何度もリハビリみたいな運動をさせた。

それでも僕はできなくて。

そうと分かると、飼い主さんは僕に、
“お前はうさぎじゃない、ただの獣だ。”って言ったんだ。

それまでずっと楽しかった日々が、
1日で変わった。」

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ちぃ(プロフ) - やぶひかloveさん» 大変お待たせしてすみません!!たった3話ですが、移行の分も合わせて更新させていただきました。これからもよろしくお願いします!! (2017年9月7日 7時) (レス) id: ca993a15ce (このIDを非表示/違反報告)
やぶひかlove - 続きが見たいです!! (2017年9月1日 23時) (レス) id: d36bb4c71e (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - ききさん» お待たせしてすいません…汗コメント、すごく嬉しいです!これからも応援して頂けると幸いです!! (2017年5月8日 8時) (レス) id: ca993a15ce (このIDを非表示/違反報告)
きき - 早く続きが読みたいです。更新頑張ってください! (2017年4月20日 21時) (レス) id: b5dd81d92a (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - ももちねさん» コメント有岡です!更新遅れていて、ほんとに申し訳ありません泣そのようなコメント、とても感謝します!これからも応援よろしくお願いします!! (2017年2月21日 19時) (レス) id: ca993a15ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぃ | 作成日時:2016年12月11日 22時

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