秘密を教えて…？[HSJ]

241時 ページ43

数日後、あれからも雄也は、
毎日のようにマンションへ訪ねてくる。



不思議なのは、自分で鍵を開けずに、
ドアをカリカリ引っ掻いて、
開けて開けて、ってアピールすること。


今までなら一回人間に戻って
自分で鍵を開けてたのに。








『雄也、
とうとう人間に戻るのが嫌になっちゃった？』




冗談半分でそう聞いてみるけど…





──ワフっ






雄也はそう吠えるだけ。






侑｢…ちょっと待って。
やっぱりなにかおかしいと思った。｣



慧｢なにがー？｣



裕｢高木と会話が繋がらない…？｣



侑｢…そう。｣





みんなの話によると、
今までは、動物の姿同士だと、
たとえうさぎと犬でも、猫とネズミでも、
会話はできていたそう。


それが、今では私と同じ、
ワンとかそれしか聞こえないみたい。







侑｢そういうこと？雄也。｣





雄也は侑李の言葉がわかったみたいに
縦に頷いた。






『侑李の言葉がわかるみたい…』



侑｢そりゃそーだよ、動物にとって、
人間の言葉はこの能力が備わる前に
普通にわかってるもん。｣



裕｢ていうことは…｣



侑｢雄也は人間に戻らないんじゃなくて、
戻れないんだ。｣



慧｢うそ！｣



裕｢そんな…｣



侑｢だけど僕達が思っているような事じゃない、
雄也が自分で望んでそうしたんだ。｣








自分で望んでそうした…？






侑｢そのうち分かるでしょ。｣






結局侑李にはぐらかされて、
私には何もわからなかった。

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