秘密を教えて…？[HSJ]

230時 ページ32

──ガチャッ






侑｢A！おかえり…え？｣



『侑李ごめん、お風呂沸かしてくれる？』



侑｢あ、うん！｣






小走りでお風呂場に行った侑李。







大｢A！ってどうしたんだよ、それ！｣





『後で説明する。
雄也が濡れてるから、
風邪ひかないように拭いてもらってもいい？』



大｢任せろっ！｣






そう、今私の腕の中には、
さっき雨の中震えていた犬が。






侑｢A、出来たよー！｣




『あ、ありがとう!!』






慌ててお風呂場につれて言って、
シャワーを当てる。







雨の中で泥で汚れ、茶色だと思ってたその犬は
シャワーを当てると、白い毛を取り戻していた。









『…ん？』







よく見ると、この子首輪してる…

長い毛で見えにくいけど、
細くて赤い首輪。


どこかの飼い犬だったのかな？









･









･









雄｢A…｣



『雄也、この子は雄也のお友達？』



雄｢…うん、よく遊んでた。｣



『この子、飼い犬だよね？』



雄｢お爺さんだった。
よく公園に来てて、ルリを首輪から外すんだ。

でも…時間になったらルリの首を絞める。｣




『…え!?』






話の内容から、この犬の名前はルリっていうメスなんだって分かる。






涼｢首を絞めるって？｣




雄｢あの人が帰ろうとすると、ルリの名前を呼ぶ。

でも、声がちっちゃいから俺たち聞こえなくて。

そしたら、走ってこっちに来て、
ルリの首にキツく首輪をつけるんだ。｣



美｢なに、それ！最低じゃん！｣




雄｢さっき言ってた、
あのおじいさんから逃げてきたって。

それで…俺の匂いを辿ってきたって。｣





リビングの端っこ、
いつもは雄也のベッドスペースで眠る彼女。








侑｢…可愛そうだけど、
その人が飼い主ならどうすればいいんだろう…｣



『明日、その公園に行ってみよう？
一応、探してるかもしれないし。』

231時→←229時

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す