秘密を教えて…？[HSJ]

213時 ページ15

家に帰って、ほっと一息…









つく暇もなく、
みんなで床暖房を入れた床に座る。






『先に言っておくけどこれからする話は、
決して楽しい話でも嬉しい話でも、
幸せな話でもない。



それでも…慧の言ってたとおり、
私たちの中で隠し事なんて嫌だから、話すね？』








裕翔と雄也は下を向いていて、
表情が分からなかったけど、


慧は興味津々に、侑李は聞き逃すまい、と
私とじっと目を合わせていた。









『あなた達は人間でも動物でもない、
“擬人動物” っていう類なの。

だからね、人間の特徴も、動物の特徴も持ってる。




それはもちろんいいことでもある。

でも…
もしも年齢が動物の特徴を持っていたら…？』









雄｢動物の寿命にならって、
生きられても数年…｣









それを聞いて、侑李は考え事をしていたみたい。









慧｢えっ、それって…｣



雄｢ねずみの寿命って…？｣



裕｢1年から2年…｣









こんな残酷な話、ほんとはしたくないけど、

私が彼らの立場だったら、隠し事はされたくない。









恐る恐る、侑李の顔色を伺う。









下を向いててあんまり見えないけど…









侑｢…大丈夫でしょ。｣



『え？』









急に顔を上げた侑李の顔は
いつも通りの冷静な顔。









侑｢別に、僕の心配なんていいから。
そんなに今日明後日でいなくなるとは思えないし。｣









そう言う侑李の瞳は真っ直ぐで、
何も迷いがなかった。

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