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いつも通り練習室へ向かっていると、受付の方が焦ったように私に話しかけた
「ソアちゃん、ごめんね
今、ソアちゃんの階の電気が上手くつかないみたいで別の練習室でも良いかな?
今の時間なら…3階が空いてるから」
3階……
3階はSEVENTEENのフロアだ
そんなフロアに私一人で入るわけにはいかない
今日は練習を諦めるか
そう思い、受付の方に断りを入れようと思っていると
「ソアさん、3階に来るんですか?」
後ろから優しい暖かい声が聞こえた
『エスクプスさん……』
「あ、クプスさん、実はね_____________」
エスクプスさんに、受付の方は事情を話すと、にっこりと微笑み、うちの練習室を使っても構わないと言っていただけた
けれど、良いのだろうか
エスクプスさんが事務所に来たということは練習をするということなのでは無いのだろうか
私がどうしようか考えていると、エスクプスさんは受付の方から鍵を貰い、私の手首を掴みエレベーターの方へと足を進めた
『ちょ、エスクプスさん…!』
「クプスでいいよ」
私が困惑しているのは分かっているはずなのに、なぜか楽しそうに私を引くエスクプスさん
何を考えているのか分からない
『あ、ありがとうございます…
クプスさん、私大丈夫です
明日練習しますし…』
「明日直ってるかも分からないのに?
それに、今日うち練習室使う子いないと思うから使ってよ」
そう優しく微笑むクプスさんは、嘘を言っているようには見えない
それに、クプスさんの言う通り、明日電気が直っている確証は無いのだ
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作者名:ふちゃ | 作成日時:2023年1月23日 17時