星に手を伸ばす

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デビューしてからはそんなことを考えている暇なく、日々が過ぎていく

はっきり言ってソアのデビューは大成功だった

デビューシングルで5冠を取ることが出来たり、ブランドのモデルになることが決まったり、きっと他のグループのデビューの時より華々しいのだろう

デビューしたばかりとは思えないほど幸せな生活を送っていた


ただどれもこれも、ビジュアルのおかげだということである

どの記事の見出しにも、《圧倒的ビジュアル》と書かれているのだ

正直、私のダンスと歌を見て貰えないことが悔しい







「あの…！」




事務所内を歩いているとスングァンから声をかけられた

スングァンは昔から外交的で、初めて会う人に対しても適度な距離感をきちんと保ちながら、積極的に話しかけてくれる

初めてスングァンと話したことをふと思い出してしまう






『スングァンさん、おはようございます』




スングァンがもしかしたら私、Aと気づいてくれるのではないかと期待を込めて挨拶をする






「ソアさん！すごく曲いいです！！ダンスも最高！活動頑張ってくださいね！」




そう両手をぐーにしてファイティンポーズを取ったスングァンは私がAということに気づいては無いみたいだ

ああ、やはり私はもうAでは無いのだ





『ありがとうございます』


無理やり口角を上げてスングァンに感謝を伝えた

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