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side/you
暗い社内で私のタイプ音だけが響く、
他の人はとっくに退社して、大量の書類を押し付けられた私だけがその場に残っていた
「誰がやっても変わらないなら自分でやればいいじゃんばーか!!」
誰もいないのをいいことに大きな声でそう叫んでデスクに顔を伏せる
毎日毎日残業三昧で体も心ももうクタクタだった。
それはもう残業手当が出ていなければ多分会社内で暴れ回れるレベルにはストレスだって溜まっていた
「……もう嫌だ、」
先程の声とは比べ物にならないぐらいの小さな弱音が口からこぼれる。目にはうっすらと涙まで浮かんできてしまった
(泣くな。泣くな私、泣くな泣くな)
どうにかその涙を零すまいと必死に目を瞑ってこらえていればふと頬に異常な冷たさを感じる
「冷たっ!!?」
思わずそれに声を上げてしまえば後ろからくすくすと小馬鹿にしたような笑い声が聞こえてきた。
「はは、今日も残業してんなぁ望月さん。」
そんな声と同時に私とほぼ身長が変わらないぐらいの男性が私の顔をのぞきこんで笑う
「ぁ、天乃せんぱい、なんでいるんですか…?」
見覚えのあるその顔は、入社当時私の教育係だった時からとても良くしてくれる天乃先輩の物そのものだった
混乱している私を見て天乃先輩はずっと笑っていて、ひとしきり笑いきった後に言葉を続けた
「いやな、俺も今日仕事残ってて別の部署で片付けてたんやけど飲み物買いに来たら望月さんおったから俺もこっちでやろうと思って」
そう言いながら片手に持っている資料の束をヒラヒラとさせてもう片方に持っていた冷たい缶コーヒーの缶を私のデスクへと置く。
「それ飲んでええよ毎日残業おつかれさん。もうちょっと一緒に頑張ろな」
「天乃せんぱい゛〜〜!!」
急な優しさは傷心しきった私の心にはとても染みて
恥なんてものは捨ておきわんわんと大人気もなく泣き出してしまった私に天乃先輩は慌てふためいて
しばらく落ち着くまでよしよしと頭を撫で続けてくれていた。
相変わらず、とっても優しい先輩だ
この人はずっとこのままで居てくれるといいな、なんて
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きのもと(プロフ) - イチゴネコさん» 前作も見てくださってありがとうございます。マイペースな更新ですが何とか完成まで頑張ります…！！ (2022年7月23日 8時) (
レス) id: ed055401af (このIDを非表示/違反報告)
イチゴネコ(プロフ) - 新作おめでとうございます！相変わらずきのもと様の文章表現技法が好きです……！無理せず更新頑張ってください！！ (2022年7月22日 16時) (レス) @page3 id: 5e5c398b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのもと | 作成日時：2022年7月22日 14時
