月下の光の中でなら2【怪盗キッド】 (ページ37)

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阿笠「じゃあ、その伊藤って人が犯人なんじゃ‥」

阿笠の言葉がまろんと被る。

まろん「確かに伊藤が西尾を打ったのは間違いないと思うけど‥」

なんだか引っかかる。

平次「狙撃現場には伊藤の足跡、衣服には硝煙反応。現場にあったライフルにも装備できる最大限の８発やったし‥そのライフルマークも全部一致できるもんやったんやけど‥」

‥完璧すぎる。

‥平次も何かがおかしいと感じているようだった。

ライフルスコープにほんのかすかだが、マスカラが付着していたらしい。

平次「このマスカラはレアもんらしくてな、伊藤と西尾の周囲の女性でこのマスカラを使てる1人の女が浮かんできたんや」

ケータイをポチポチと押しながら説明する彼。

そうか、‥‥。

まろん「清水麗子‥」

平次「そうや」

平次は少し驚いた表情をみせた。

平次「特に西尾と伊藤とは仲がよかったらしいで。卒業後は西尾と一緒に伊藤の会社に就職して‥秘書室長をやってたらしい」

コナン「現金輸送車の犯人は伊藤と西尾だろ？伊藤が西尾を殺す動機はあるのかもしれないけど清水麗子にそれがあるのか？」

コナンの問いに、平次とまろんは振り向く。

平次「会社の同僚の話によると、西尾にしつこく迫られて嫌がっとったらしいけど‥警察にスコープのマスカラ、西尾殺害時のアリバイが不明確であることを問い詰められたが‥一切口を割らんかったらしい」

まろんの中で、何かが繋がった気がした。

ー答えは自分が思っているよりも、簡単ー

頭の中で、その言葉がフラッシュバックされた。