検索窓
今日:29 hit、昨日:15 hit、合計:167,935 hit

... ページ14

翔太side



__________




『落ち着いた?』



しゃくり上げていた背中が穏やかに呼吸をして数分、


もうそろそろ首とか疲れたし、と思って声をかけるも


抱きついたまま。


いや寧ろ肩にぐりぐりとおでこを擦り付けられてさっきより重い。



『おーい?』


「うらやましい、って思ってた。」


『え?』


「亮平くんが病院から帰る時、涼太くんと翔太くん、どっちのときも抱っこしてもらって、その腕に安心した顔してて。俺には頑張っても届かない幸福の雲の上にいるみたいに。」



人はそれを無い物ねだりと言うのかもしれない。


でも彼の願いを叶えられた俺は、できることがまたひとつ増えた喜びを感じていた。





人を不幸にする人間。


20年以上前の事件と今回の事件。


悪かったのは誰なのか。


社会から捨てられた父も姉を亡くしたおじも


加害者であり被害者である。


誰かを恨めば楽になる気がするけれど、


その闇は何をしてもがこうとも決して俺たちを逃してはくれない。



光はどこか、希望は何か。


手を伸ばした方向が合っているのか、今の俺にもわからなかった。




fin.

...さようなら→←...手を繋げば



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (143 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
977人がお気に入り
設定タグ:風邪 , 病系 , 体調不良
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はちみつかぼす | 作成日時:2022年3月3日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。