【ペルソナ5】秀尽学園の佐倉さん。 (ページ10)

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授業が終わってすぐ、皆は未だに来栖くんの"噂"を話していた。

色々と尾ひれもついて酷いことになっている。

『…来栖くん、とりあえず教室出よう』

「あ、うん…」

すると周りは僅かにどよめき、私の事を蔑むような目で見てきた。

タイミング良く坂本くんも教室に現れ、三人で廊下に出た。

「噂なんか無視しとけ、少なくとも俺は信じてねぇし」

その一言でその場は和み、私達はそのまま足を進めた。

しばらくして、会話は鴨志田の事になった。

私が教室に戻っあと、二人は鴨志田と対面したらしい。

どうやらあの城のことは何も知らないようで、惚けている様子もなかったと二人は言った。

そして坂本くんは、あのパレスで見たバレー部達を助けたいと声を漏らした。

「身勝手な大人に苦しめられてるヤツらを何とか助けたいんだ…だから…力を貸してくれないか」

坂本くんは、こんな事お前らにしか頼めねぇと呟く。

…正直、私は足でまといになる自信しかない

二人は男子だから相応に体力や力もあるだろうが、私は弱い

一度蹴飛ばされただけで立てなくなるくらいに弱い

「…わかった、あの部員達を見たからには放っておけないよな」

「…へっ、やっぱお前良い奴だな」

来栖くんの発言によって、妙に断りにくい空気になってきた。

坂本くんが私を見て、お前はどうだと聞いてくる。

『～っ、やりますよ！でも足でまといになっても怒らないでくださいよ！？』

「な、なんでキレてんだ…？」

やる、と言ってしまった

言ってしまったからにはやらなきゃいけない

頭を抱えて唸っていると、来栖くんに肩をつつかれた。

「改めて、宜しく」

『あ、うん…宜しくね』

来栖くんとら握手を交わすと、それを満足そうに見ていた坂本くんが私達の肩に腕を回した。

「帰りに作戦会議しようぜ！暁、A、ラーメン食ってくか？」

「いきなり呼び捨てかよ…」

『賑やかで良いんじゃないかな』

久しぶりに楽しい気持ちで、午後の学校を過ごせた気がする。