【ペルソナ5】秀尽学園の佐倉さん。 (ページ31)

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私が身を潜めている間、皆は偽物の皇と戦っていた。

アレはシャドウと呼ぶらしい。
そのシャドウは、化け物の姿になって襲いかかってきた。

しばらくして杏が攻撃をくらい、私のそばまで飛ばされてきた。

慌てて駆け寄ると、杏は苦しそうに顔を顰めながら大丈夫だと言って皇のシャドウの元へ駆けて行った。

私に力があれば良かったのに

今もこうして守られて、彼らの枷になっている

アレに対抗する力が、"欲しい"

ふと、頭の中に誰かの声が響き、言葉にならない痛みが走った。

目眩がする。気持ち悪い。

ようやく、力を欲してくれた…

戦いたいと望むその志し

曲げることは許さないから

『勿論…そんなつもり、私もないよ』

ふふ…さぁ、契約を交わしましょう

我は汝、汝は我…

私は顔についた仮面の縁に指をかけ、思い切り顔から引き離した。

抗いなさい

己の意思の赴くままに…!

「あれは…ペルソナ…！？」

「マジかよ…！！」

そんな声が耳に入り、私はゆっくりと立ち上がった。

『…"ビルキース"！！』

私がそう叫ぶと、私の背後に現れた女性の元から凄まじい電撃が化け物となった皇のシャドウに襲いかかる。

私は手元にある鎖を化け物が手にしている刃物に巻き付け放り投げた。

刃物は壁に深く刺さり、刃が折れた。
すると刃物は塵となって跡形もなく消えた。

『次はお前がこうなる番よ…皇ィ…？』

「強…ってか怖ぇ…！」

「ナマエ殿のあの優しい目がヘビみたいに…っ！」

きっとこれがペルソナだ

私にも力が、アレに対抗出来る力を手に入れた

これでみんなを守れる

武器を失った化け物は攻撃しやすくなり、私達はペルソナの名を呼んで攻撃した。

凄まじい轟音と共に煙が発生し、その煙が晴れると、そこには可愛らしいドレスを着た皇のシャドウが一枚の写真を大事そうに持っていた。

『…暁、シャドウを殺したらどうなるの？』

「現実世界の皇も死んでしまう。だから…」

『うん、分かってる。大丈夫、殺さない』

ゆっくり皇のシャドウに歩み寄ると、皇のシャドウは後退りした。

"「…だって…私は！！…認めてもらわなきゃいけないの…今の父さんと母さんに、ちゃんと…！！」"

私達は、静かに話を聞いた。