【ペルソナ5】秀尽学園の佐倉さん。 (ページ29)

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27 来栖side ページ29

皇のパレス、前回ルートを確保しその道を進んでいるのだが、何やら怪しい人物が建物内を徘徊していた。

まだ対面していないが、確実にヤバいのがいるとモナが言っている。

「…ねぇ、あの廊下の絨毯…なんか解れてない？」

「何かを引きずりながら歩いたあとだな…たぶん鋭利な刃物とかだろう…そこに気付くとは、流石パンサーだな！」

そのまま道を進んでいくと、偽物のAが居たはずの廊下には血溜まりだけが残っており、その血溜まりが少し線を作っていた。

恐らく移動したのだろう。

なんの為に…というか、あの時に塵になったはずじゃ

目的の方向は同じのため辿っていくと、ちょうど偽物のAが塵になる瞬間を目にした。

塵が消え、秀尽学園の制服を着た女子が倒れ込んでいるのが見える。

駆け寄ると、その子はAだった。

慌てて何度も名前を呼ぶが、一切反応しない。

顔色もどこか悪く見え、制服は血塗れだった。

「とりあえずセーフルームにいくぞ、ナマエ殿の容態はそこで確認しよう」

『…急ごう』

素早くAを抱え上げ、走っていくモナの後を追って俺達もセーフルームに入った。

セーフルーム内にあるベッドに寝かせ、Aの容態は同じ女子であるパンサーが見ることになった。

「いい？絶対こっち見ちゃダメだからね！」

「分かってるって、そこまで欲に忠実じゃねーよ俺達だって」

「どうだか…モナ、二人のこと見ててくれる？特にスカル」

「勿論だぜパンサー！」

静かな部屋の中で、服の擦れる音だけが響いて変に緊張してしまう…

竜司も表情からして、同じことを考えているようだ

少しするとパンサーがもう大丈夫だと言って、モナの警戒を解いた。

なんでも、あの血は全てAのものじゃないらしい。
偽物のAが血塗れで覆いかぶさっていたから、そっちの血じゃないのかと。

怪我もしていないようだ。

『良かった…』

「でもなんでAまでパレスに居んだ？近くにはいなかったろ？」

「もしかしたらナマエ殿の携帯にも、例のアプリが入っていたのかもしれないな」

キーワードなら他人の声でも拾ってしまえばHITしてしまう筈だとモナが言い、俺はふとAに目を向けた。

先程とは変わって顔色は良くなったが、まだ眠っている。

俺が顔を覗き込むと同時に、Aの目がパッと開いた。