【ペルソナ5】秀尽学園の佐倉さん。 (ページ16)

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最近は皇さんは私に関わってこなかったが、それはきっと来栖くんの噂を聞いて、私が来栖君と一緒にいるからその間は手を出してこなかっただけ。

実際いま、例の皇アオコに捕まっている。

保健室から教室へ向かうところだと言うのに邪魔な奴だ。

「ねぇ佐倉さん、野菜ジュース。ああ、貴方はシュークリーム」

『…はい』

一人でいるとわかって命令してきたこの女、横を通り過ぎようとした女子にも命令していた。
しかも買えと言わないのがさらにムカつく。

ただ彼女の言うことを聞いていれば、絶対女子に虐められる事は無い。

それ故に従う女子が多いのだ。男子は…まぁ、一部の人だけだが。

『野菜ジュースって言っても…どれだ』
「シュークリームってどっちなのよ…」

「『あ』」

購買では、さっきの女子がチョコシュークリームとカスタードシュークリームのどちらかで眉を顰めていた。

野菜ジュースなんて三種類ある。殺意が湧いてきた。

『…お互い、大変ですね』

「まぁ、でも…これで日常生活は守られますし…」

『…"日常"の感覚麻痺してません？』

「…早く買わないと怒っちゃいますよ、皇さん」

結局私は三種類買い、それを見て"吉田さん"はシュークリームを二種類とも買った。

皇の元へ持っていくと、皇は全部持って行ってしまった。

あれ全部食うのか？カロリーヤバいだろ

なんて心の中で悪態つくくらいしか出来ない。

吉田さんも同じ事を思っていたのか、苦笑いしながらこちらを見ていた。

「でも、意外だったなぁ…佐倉さんも皇さんのメイドだったなんて」

『メイドって…』

「皆…って言っても主に男子だけれど、皇さんに貢物渡す人達は皆メイドや執事って呼ばれてるからね…」

『まるでこの学校が皇の別荘じゃないか…』

「佐倉さん大変じゃん、わざわざ隣のクラス行ってるわけでしょ？」

同じクラスよりはマシだと言うと、吉田さんは確かにと頷いた。

皇のせいでお金が飛んでいく。そのせいで学校に来なくなり、いつの間にか転校していた女子だって居る。

貢げなくなったら終わりだからだ。

来栖くんは保護観察の事や尾ひれのつきまくった噂のせいで手を出されていないが、それが無かったらきっと目をつけられていただろう。

「私にも転校生みたいな噂あれば良かったのかなぁ…」

『さぁ…』

そう言えば、来栖くんと坂本くんはどこに行ったんだろうか。