いつものお向かいさん ページ7
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桜が平日バイトなのは大体火・木なのでその曜日の日はあの図書館に通うようになった。
周りの人たちが知らない人だらけの方が俺的には自分の世界に入り込めて集中しやすかった。
今日もいつもの共有スペースで教科書を広げて勉強中。
ふと、視線を上げてキョロキョロとしてしまう。
いつものお向かいさんは今日はいなかった。
って、何で探してるんだ？俺。
無意識に探してしまっていた自分にびっくりして再び視線をノートに戻した。
と、後から誰かに肩を叩かれた。
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「この前はどうも」
俺の肩を叩いた人はいつものお向かいさんだった。
勝利 「あっ、どうも」
「今日も向かいの席、いいですか？」
勝利 「はい」
今日もいつものようにたくさんの本を持って俺の向かい側にその人は座った。
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「あの、学生さんですか？」
勝利 「はい、そうです」
「学生かーいいね青春だね」
勝利 「あの、えっと、お姉さんは…」
「あ、私はねあのお店の店長やってます」
勝利 「あのお店の経営者さんですか？」
「一応ね。火曜日はお店が定休日だからいつもこの図書館に来るんだよね」
勝利 「そうだったんですね」
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だからよく会っていたのか。
その後はそういえば名前知らないね、って話になってお互い自己紹介をした。
いつものお向かいさんの名前は橘Aさんで俺の4つ年上の23歳だった。
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勝利 「若いのにお店経営してるの凄いです」
「大学卒業した半年後くらいに始めたお店だからまだまだひよっこなんだけどね」
勝利 「でもこの前お客さんいっぱい入ってたじゃないですか」
「ありがたいことにね。お客さんに感謝しなきゃだよ」
Aさんはすごく謙虚で、お客さんへの感謝を忘れてなくて、お店もお客さんの事も大好きなのが伝わってきた。
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作者名：桜彩 | 作成日時：2022年11月1日 23時
