小さな強がり ページ27
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ついにやってきました、遊園地。
遊園地は桜と風磨先輩と行ったのが最後だから久しぶりだ。
チケットを買って入場し、チケットを買った時にもらった園内マップをAさんと一緒に眺める。
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「最初どこ行く?」
勝利 「Aさん絶叫系とか大丈夫な人ですか?」
「全然大丈夫。むしろ好き!」
勝利 「じゃあジェットコースター乗りましょう!」
俺らは早速ジェットコースターがあるエリアに向かった。
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勝利 「うわ、やば」
ジェットコースターを実際に真下から見てみると思ったより怖そうで思わずそんな声が漏れる。
「怖気付いちゃった?」
勝利 「だ、大丈夫ですよ!子供扱いしないでください!」
「はいはい(笑)」
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ついムキになって強がってしまった。
あっという間に俺らの順番が回ってきて2人で乗り込む。
いってらっしゃーい!というお姉さんの元気な声に見送られ、アトラクションはスタートした。
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勝利 「うっ…」
「だから言ったのにー」
勝利 「すいません……」
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俺たちが乗ったジェットコースターはいわゆる回転系のやつ。
急に止まったり、一回転したり、乗り物の動きは不規則だった。
予想以上のものに俺は気持ち悪くなってしまってここに座ってな、と言ったAさんは水を買いに行ってくれた。
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勝利 「ほんとすいません、最初からこんなになってしまって」
「まだ全然時間あるしゆっくり休みな?」
勝利 「Aさん…」
「ん?」
勝利 「神ですか?」
「ふふ、何言ってんの(笑)」
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俺から誘っておいてこんなになってしまって本当に情けない。
それでもAさんは何にも気にしていないみたいで優しく微笑んでくれている。
これからは強がんないでよ?と結局子供に話しかけるみたいに宥められてしまって
バツが悪そうにはい、と小さく答えた。
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作者名:桜彩 | 作成日時:2022年11月1日 23時