奢られる運命 ページ18
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「いやぁびっくりした」
勝利 「僕、誕生日同じ人に初めて会いました」
「私も」
勝利 「何か嬉しいです」
「ふふ、親近感湧くなぁ」
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運ばれてきたラーメンを啜りながらさっきの驚きをまた共有する。
好きな人と誕生日が一緒だなんて嬉しくて胸が高鳴った。
僕が食べ終わってから少ししてAさんも食べ終わった。
席を立つ前、風磨先輩とよく言い合いになる出来事がAさんとの間でも起こった。
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勝利 「いや、僕も払います」
「今日は私が演劇誘ったんだから」
勝利 「でも夜ご飯誘ったのは僕です」
「もー年下は黙って奢られてればいいの」
勝利 「あ、でた。毎回思うんですけどそれずるくないですか？」
「何もずるくないから」
勝利 「いーや、ずるいです」
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どっちも引く気がないのでじゃんけんで俺が負けたらAさんがの奢り、Aさんが負けたら割り勘する事になった。
勝利 「てか、Aさんが負けたら俺の奢りで良いんですけど」
「いやそこは絶対譲らないから」
勝利 「はぁ…分かりましたよ」
『せーの』
勝利・A 『じゃんけんぽん！』
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勝利 「…ごちそうさまでした」
「はいお粗末さまでした」
勝利 「あーなんで負けたんだろ」
「勝利くんは奢られる運命だったんだよ」
勝利 「何ですか奢られる運命って」
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Aさんにブーブー言いながら帰り道を歩く。
外は夏特有の暑さがまだ残っていて少し歩くだけで汗ばむ。
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「そういえばさっき毎回思うとか何とか言ってたけど他にも私みたいな人いるんだ？」
勝利 「はい、います」
「どんな人？」
勝利 「今年卒業しちゃった大学の男の先輩なんですけど、後輩は黙って奢られてればいいの、とか後輩に払わせるわけにはいかないでしょ？とか言うんです」
「良いじゃん。イケメンじゃんその先輩」
勝利 「まぁ確かに外見も内面もめちゃくちゃイケメンなんですけど」
「やっぱりどこでも年下は奢られる運命なんだって」
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また謎の運命理論を提唱されたので仕方なくその運命を受け入れる事にした。
全然納得いってないけど。
Aさんはそんな俺の不服そうな顔にも気が付かず俺の隣を歩いている。
そんなAさんの横顔をいつか彼氏として見れる日が来れば良いのに、なんて思った。
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作者名：桜彩 | 作成日時：2022年11月1日 23時
