未成年と成人 ページ17
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Aさんと2人で下北の街を歩く。
観劇し終わって劇場から出てきた。
そこからは今日の演劇の感想大会。
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勝利 「僕あそこ好きでした。最後の2人が別れるシーン」
「あー私もあそこが一番好きだった」
勝利 「演劇初めて観ましたけど結構好きかもです。僕」
「お、早速演劇の魅力に気付いちゃいました?」
勝利 「気付いちゃいました。Aさんもっと色んな作品教えてください」
「もちろん。この調子でもっとハマっちゃってよ」
勝利 「ふふ、はい」
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演劇は観ていてすごくワクワクした。
目の前で繰り広げられる物語に客席側にも緊張感があって、これはドラマや映画では感じられない感覚だなって思った。
もっともっと演劇の魅力を知りたくなった。
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「これからどうしよっか」
勝利 「どうしましょうね」
今は夕方の5時。
夜ご飯の時間にはまだ早い。
でも俺はまだAさんと一緒に居たくてダメ元で誘ってみる事にした。
勝利 「あの、まだ少し早いんですけど、良かったら夜ご飯一緒に食べませんか?」
「夜ご飯かぁ〜。いいね、一緒に食べよっか」
勝利 「どこに行きますか?」
「んーやっぱりあれかなー」
勝利 「あれ?」
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やってきたのは劇場近くのラーメンさん。
一番人気は不動の醤油ラーメンで俺はラーメンだけ、Aさんはビールも注文していた。
ビールはすぐに運ばれてきたので水を持ってAさんと乾杯した。
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勝利 「ここよく来るんですか?」
「よく来るね。劇場も近いし」
勝利 「いつも醤油ラーメンですか?」
「たまーに違うの頼む時もあるけど基本はそうだね」
勝利 「へぇーそうなんですね」
「勝利くんてさ、まだお酒飲めない年だっけ?」
勝利 「はい。まだ19です」
「うわ、わっか」
勝利 「いや、Aさんもまだ若いじゃないですか(笑)」
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あまりにも驚いた言い方をするから笑ってしまった。
勝利くんに比べたら私なんておばさんだわ、なんて言うからこの人まだ23だろって心の中でツッコんだ。
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勝利 「そういえばAさんって誕生日いつですか?」
「10月30日だよ」
勝利 「え!僕も10月30日です!」
「え!そうなの!?」
勝利 「はい!」
まさかの偶然に思わず盛り上がった。
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作者名:桜彩 | 作成日時:2022年11月1日 23時