そして僕等は

大樹へ ページ8

イレブンは、突然外に飛び出したかと思えば、今度は急に立ち止まった。そして袋から天空のフルートを出すと、音色を奏でてケトスを呼び出した。

(ルーラの方が早くね･･･?)

「･･･そんな事考えてる場合じゃないな。おい、イレブン!待てって」

急いで走り、全力で跳んだ。が、あと数センチ届かなかった。

(マジかっ!?)

「やっべぇ」

身の危険を感じたカミュだったが、舞い戻ってきたケトスが受け止めなんとか無事だった。

「危なかった･･･そうだ、イレブン!お前、どうしたんだよ!?」

そう話し掛けるが、どうやらイレブンの目と耳には入っていない様だ。
体を強く揺さぶると、やっとこちらに気付いた。

「ん･･･?カ、カミュ!?あれ、なんで僕 ケトスに?」

随分と混乱しているようだ。

「落ち着け!イレブン。お前が突然、夜中に起きて飛び出したから俺は追い掛けて来たんだよ。」

暫く考え込んでいたが、思い出したのか『そうだ!』といい、ぽんと手を叩いた。

「夢の中に、誰かが居たんだ。命の大樹の中心で。よくわからないけど･･･会わなくちゃいけない気がして。」

(これもまた、何かの『導き』なのか･･･)

「そうか、でもお前だけじゃ何かあった時ヤバいだろ。だから俺も一緒に行くぜ。」

二人は命の大樹へと向かった。

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