そして僕等は (ページ11)

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対面ページ11

「こいつは驚いた･･･」

まさかもう一人の自分に会っちまうなんてな。
･･･すぐにどっか行っちまったけど。

「まぁ、でもオレの事は自分が一番分かってる。」

恐らくまだ遠くには行ってない筈だ。
そう思い辺りを探す。案の定、直ぐに見つかった。普通に歩いていれば気が付かない様な木と木の間に隠れていた。

「…オイ、何やってんだ?」

そう声を掛けると、もう一人の身体をこわばらせこちらに目を向けた。

「どうしてココに居るって分かったんだ？」

「どうしてって…そりゃオレとお前が同一人物だからだろ。…おっと、また逃げても無駄だぜ？生憎お前よりレベルもスキルも上なんでな」

そう言うと歯を食いしばりながらも素直に姿を見せた。話を聞くと、この自分は時渡り前の時間軸から来ているらしい。
何故こんな事になっているのか、もし世界が一つになったのならば、自分が二人居るのはどうしてなのか、問いかけた。
だが何も分かる事はなかった。

「…弱ったな。そっちから来たなら何か分かると思ったんだがな。」

腕を組み、首をかしげていた。でもずっと此処で話していても埒が明かない、そう思った
ので何はともあれイレブンの所へ戻る事にした。

「よし、イレブンも心配してるだろ。そろそろ戻るか。」

「そうか。気を付けろよ。」

おう、と返事をしそうになった所で気が付いた。

「…そうか、じゃねえよ！お前も一緒に来るんだよ！」

と言うと、露骨に嫌そうな顔をした。ずっと待っていてもなかなか来ないので、しびれを切らし腕を掴んで少々強引に連れて行った。

「おい、ちょっと待っ…」

「うるせぇ」

だいぶ食い気味に言う。

「はあ…分かったよ。」

渋々返事をして、あまり気が進まないがイレブンの所へ向かう事にした。