ぽつり ページ38
〈ぽつり〉
これははっきりした聴覚に訴えかける音ではない
意識が浮上した
感覚は死んでいた
何故なら死んだからだ 私が
私って誰だ
誰ってなんだ
これは
第2の走馬灯。
もう生きているのか死んでいるのかもわからない
だだの ひとつ の “意識”
何かを眺めるように浮かんだそれは 見えるはずのない景色を見ていた
意識の主だった者の名は
_________A
目的はない ただの浮上した意識
また 人生の一欠片が流れ出す
ランダムというものは素晴らしい
形式であるそれは 実に楽である
これはAの意識が見た さらなる走馬灯
・
一歩下がって見ていたもの
人生
自分のものであることは確かなのに
誰かのものを ふと 関係無いものを見るかのように
感じることのあるもの
どうでもよかったのだ 自分が
思うことがよくあった
「一度死んでみたい」
別にこの世の中に不満を抱き それに疲れてしまったから
というわけでは無いのだ
それが嘘といえば 正しいとはいえなくなるものではあるけれども
言い方を変えると
「自分自身の存在を全ての出来事から全ての記憶から消し去りたい」
何が目的だなんて知らない
ただ それを望まない今それが何なのかを考えると
自分が消えた後の周囲がどのように変化するのかが
自分がどのように周囲に影響してきたのかということを知りたいというだけのつまらないただの身勝手な願望でありそれを知ることにより自分の価値観を確かめ優越感を感じている状態を手にすることが目的である実に何とも頭のイカれた考えを持っていたことが
正しいというものに最も近いのでは無いかという事を答えというものにするのが何とも自然な事であり楽であると私は捉える
別に人生を楽観視しているわけでは無い
特に感傷的になるわけでも無い
ただ、全てが他人事であった
全て流されていくのだ
そうするのが一番不自然で無いから
そもそも不自然となるには人と人との間に
何かしら捉え方の違うものであっても矛盾が生じるのだ
その実態は知らなくてもいい
その矛盾を持つものは 自分にとって不都合であり排除したい障害となる
私はこれを避けたのだ
操り人形のように自我を持たず
自我を持たないのに独りで勝手に傷付く馬鹿なのだ
いつも常に二つの感情が存在していたのだ
そこに居たいとタチの悪い感情だった
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作者名:繁茂 | 作成日時:2016年4月29日 10時