歌姫ウタの兄 (ページ6)

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第五楽章ページ6

「うぉお!?いきなり抱きついたら危ないじゃないか、ウタ」

俺は、ホンゴウさんとライムさんに近づいて何があったかを説明した。

ウタが殴られそうになった時に、俺が叫んだら男達がいきなり倒れたことを伝えると2人は少し驚いてから俺の頭を優しく撫でてからウタを守れて偉いぞと褒めてくれた。少し照れくさい

2人に説明し終わるとシャンクスが腕を広げて俺の方を見ていた。ウタは副船長の所へ言って何かを喋っている

「A…俺の胸に飛び込んでこい！」

シャンクスがそう言った瞬間、緊張の糸が切れた気がした。そして、ゆっくりとシャンクスに近づいて少し控えめに抱きついた

『ねぇ、シャンクス……俺、アイツらがここに来た時本当は怖かった。このままじゃ、ウタを守れないって思ったんだ。俺、もっと強くなりたいよ…シャンクスみたいに強くなりたい。じゃないと、何も守れない』

俺がそう言うとシャンクスは力強く、もう大丈夫だと言うように抱きしめてくれた

『シャンクス…ありがとう。世界で一番愛してる』

普段はそんなに甘える方じゃないけど、今日ぐらいは甘えたい。だから、普段なら絶対に恥ずかしくて言えない言葉も今なら言える

「おいおい、どこで覚えてきやがった。そんな殺し文句…嬉しいじゃねェか、この野郎」

そう言って、乱雑に頭を撫でてきた。髪がぐしゃぐしゃになるのは嫌だけど、シャンクスに撫でられるのは好きだ

「あぁー!?シャンクスばっかりずるい！私もAとハグしたい〜！」

何歳になっても変わらないな、ウタは

『ふふっ…シャンクスばっかりずるいってさ、どうする？このまま俺を手放す？』

俺を手放してウタに譲るか、手放さずにウタも一緒に抱きしめるか。それが、シャンクスに残された二択

「目の前にある宝を手放すわけないだろう」

『だってさ、ウタ。俺は海賊に捕まったからウタを抱きしめることはできないなぁ…けど、ウタが俺の所まで来たら抱きしめてあげれるかも』

俺が、シャンクスから離れればいいって思うかもしれないけど。シャンクスの力が強いから俺は抜け出そうにも無理なんだよ

「シャンクスのケチ！Aを独り占めするなんてずるいぞ！」

そう言って、俺達の方へと向かってきたウタは飛び込むように俺とシャンクスへと抱きついてきた

「うちの歌姫はご機嫌ななめか？まぁ、歌姫のお兄ちゃんは譲ってやんないけどな」

頬を膨らませながら、シャンクスの方を見て悪態をついているウタを見て自然と笑顔になった