歌姫ウタの兄 (ページ4)

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第三楽章ページ4

『ごめんなさい。俺は帰る場所もありますし、何より一緒にいたい人が居るので遠慮します』

俺にはシャンクスやウタ、船の皆がいる…だから、俺の帰るべき場所はシャンクスがいる場所だ。そう言ったら、後ろから頭に手が置かれた

「それに、こいつは俺の大事な奴なんだ。誰にも譲れねェさ」

シャンクス…!?何でここに…てか、俺が大事な奴って…嬉しいけど恥ずかしい

「成程、なら君達を引き離す訳には行かないな…あぁ、そうだ。楽譜のお代はタダでいいよ。今日は良い演奏を聞かせてもらった。この演奏は楽譜以上の価値がある」

『ありがとうございます』

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シャンクスが俺の事大事な奴って言ってくれた…ヤバい、凄い嬉しい!!

「Aってば凄い嬉しそうな顔してる〜！何か良い事でもあったの？」

俺は急いで頬に手を当てて緩んでいる表情を抑えた。…俺ってそんなに顔に出やすいかなぁ？

『…秘密』

ウタに言ったら船の皆にもバレるから絶対に教えない

「えぇ〜！何で!?教えてよ〜」

『じゃあ、俺との勝負に勝てたら教えてあげる』

まぁ、ウタに負けた事は無いけど

「やった！じゃあ、今から外で勝負しよう！」

何であんなに自信満々なんだろう。俺に勝ったことないくせに…まぁ、妹が成長するのは嬉しいけど

『そんなに急いで、転んでも知らないからね？』

はぁ…全く誰に似たんだか

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「じゃあ、今回の勝負は5個の紙コップを早くつんだ方の勝ちね！」

ウタが、珍しく単純作業の勝負を選んでる

『のった！』

そう言うと、周りに皆が集まってきた

「なんだなんだ〜？Aとウタが勝負すんのか？2人とも頑張れよー!!」

じゃあ、勝負の合図を2人で

『「よーい3、2、1!!」』

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『できた！』

「できた！」

俺の方が数秒早かったから俺の勝ち！

「勝者、A〜〜!!」

やった！

「うぅ〜！ちょっとの差だったのに〜!!もう1回！」

ほんと、ちょっとの差だったけど俺の勝ちだもんね

『海賊が負け惜しみするのは、みっともないぞ〜？ふふっ、負け惜しみィ』

ウタが勝った時に言ってくるのを真似してみた

「ﾊﾟｼｬ」

音のした方を見てみると子電伝虫(カメラ)をこっちに向けているホンゴウさんがいた。

そういえば、ホンゴウさんに医学書借りてたんだった！

『ホンゴウさん！この前、貸してくれた医学書読み終わったから返すね！ちょっと待ってて』

『後、写真撮るならかっこよく撮ってよね！』

そう伝えてから、自室へと急いだ