歌姫ウタの兄 (ページ3)

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第二楽章ページ3

俺が街に行きたいって言うのってそんなに珍しいかなぁ？

「Aが街に行きたいって言ったのか。じゃあ、今夜は宴だな！」

俺を理由にしてるけど、どうせシャンクスが酒を飲みたいだけだ。けど、宴は楽しいから嫌いじゃない

『じゃあ、宴に必要なものを買う為にも街へ行こう。ほら、早く行かないと美味しいお酒無くなっちゃうかもしれない』

俺はそう言ってからシャンクスとウタの手を取って街へ向かった

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街に着くと、出店が沢山あって美味しそうな果物とか大きなお肉も売っていて賑やかで楽しそうな雰囲気の街だ

『ねぇ、シャンクス。俺は楽器屋に行って来るから、シャンクスとウタは宴に必要なものを買ってね。じゃあ、買い物が終わったらここに集合しよう！』

シャンクス達の返事を聞かずに、俺は一目散に楽器屋へと向かった

楽器屋に入ると、沢山の楽器が並べてあり家具はアンティーク調に作られているものが使用されていて心が落ち着く雰囲気の店だ。それにしても、良い楽器があるなぁ…このバイオリンはかなりの年代物だし

「おお、それに目を付けるとは見る目があるな坊ちゃん。それで？この店には何を買いに来たんだい？」

この人がこの店の店主さんか…優しそうなお爺さんだ

『この店には良い楽器が沢山あるので、つい見過ぎてしまいました。えっと、俺がここに来たのは楽譜を買うためです』

俺もウタに負けないくらい音楽は好きだから…いつか、曲を作るんだ。その為に楽譜に書いて忘れない様にするんだ

「楽譜かい？少し待っててくれ、別の部屋にあるから探すのに少し時間がかかるかもしれない。その間、店にある楽器を好きに弾いてくれて構わないから」

シャンクス達も買出しには時間がかかるだろうし、ここで楽器を弾きながら時間が潰せるなら良いか

『分かりました。ありがとうございます』

俺が弾ける楽器は、バイオリンとピアノだけど…さっきのバイオリンが気になるからそれを使わせてもらおう

じゃあ、曲はウタと俺の大好きな〝風のゆくえ〟にしよう

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ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

うわｯ!?いきなり、拍手の音が聞こえてびっくりしたけど…店の周りに沢山人が集まってる。何でだ？

「素晴らしい…本当は演奏が終わる前に声をかけようかと思ったが、君の演奏に聞き惚れてしまっていた」

堂々と人に褒められるなんて少し恥ずかしいな…船の皆に褒められる時も恥ずかしいし

「もし良ければ、住み込みでこの店の客引きとして演奏する気はないかい？」