第８１振 神←堕ちた神等に(タナトスside) ページ37
タナトスside
ーーカイロス。その名を聞いて、血が頭に上るのがわかった。そんな俺を余所に、ヒュプノスに肩を掴まれ、少しばかり落ち着いた。…A様に、なにをしてくれる。…塵芥がっ!!
A「…タナトス」
タナトス「はっ…」
A「私の為に怒ってくれて、ありがとう。私は大丈夫です。私たちは外に出ていますから、後はお願いしますね。三日月宗近さん、襖を閉めておいて。…じゃないと、巻き添えを喰らいますよ」
A様は、お優しすぎる。付喪神にたいしてまで。…だからこそ俺は、この方を守りたいと思ったんだ。付喪神が襖を閉めたのを確認し、塵芥に向き直る。
タナトス「荷葉様もお人が悪い。俺たちに任せられるとは…」
ヒュプノス「そうだな。ーー簡単には逝かせぬ。死をも許さぬ、眠りに誘ってやろう。…永久に目覚める事はないがな」
審神者「まっまだまだ護符はあるんだからね!?」
俺たちに護符を投げるが、そんなもの…。
タナトス「効かん」
審神者「っ!?」
ヒュプノス「俺たちは、主と…荷葉様の為に存在する。…荷葉様のお心を傷付けたお前を、許す訳にはいかぬからな」
ヒュプノスが塵芥に手を翳す。すると、眠るように倒れた。…死より恐ろしい眠りへ、送ってやろう。夢の中で、後悔すれば良い。
A「終わりましたか??」
タナトス「今しがた終わりました」
俺の声に、襖を開けるA様。…あぁ、もう髪を結んでしまわれたのか。昔のようで、お美しかったのに…。
A「そんな顔をしないで下さい。この髪型の方が、動きやすいのですよ??…貴方たちに、手間を掛けさせて…ゴメンなさい」
ヒュプノス「なにを仰いますか、荷葉様」
タナトス「貴女様のお手を煩わせる事こそ、俺たちは堪えられないのですから」
A様はなにを思ったのか…跪く俺たちの頭を、優しく撫でて下さった。
ヒュプノス「荷葉様…??」
A「ゴメンなさい、大丈夫だと思っていても心配だったので…。…でも、貴方たちが怪我してなくて、良かった。ありがとうございました」
タナトス「お礼を言われる程の事では…」
こう言う所が、A様の良い所なのだろう。
A「もう大丈夫。皆、良く堪えたわね。…此処にあの子が帰って来られるよう、私から政府に掛け合っておくから」
三日月宗近「荷葉、貴女に感謝する」
此処の者たちは、口々に礼を言う。これも、A様の優しさあってこそか。
第８２振 本丸に帰還←怪我もなくて良かった…→←第８０振 傷だらけ←打つ手はないのか…(三日月宗近side)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葦原 さくら | 作成日時：2018年4月13日 9時
