第48振 寂しいんだ←わかっているつもりだけど ページ4
Aside
ーーわかっていた。わかっていたけど、わかりたくないんだ。あの子が大好きだから。愛しているから。その気持ちを、あの子にもわかってほしいんだ。
A「火蓮さん、あの子に渡して貰いたい物があるんです。お願いできますか??」
机の引き出しから、絵を取り出す。2枚の内、1枚を渡す。
A「この絵と手紙を、あの子に。もう片方の絵は、私が持ってるから、と」
あの子に渡すのは、4人で微笑みあっている絵。私が持っているのは、あの子と2人で微笑みあっている絵。…名前を呼んで、泣き叫べたら、どんなに楽だろう。…そうだ、火蓮さんなら知っているかも。
A「火蓮さん、あの子の審神者名…聞いても良いですか??」
火蓮「ーー“孤独”。…彼らしい名前じゃない??」
…あの子ったら、本当に…。絵と手紙を添えて…火蓮さんにお願いすると、快く引き受けてくれた。
火蓮「三日月様、加州様、Aちゃんをお願いします。この子は、1人なんです。誰とも繋がらない、独り。神隠しにあっても、心配する人も居ない。そう考えて居るんです。ーーでもね、Aちゃん。僕や彼は、心配だからね。他の本丸と違い、此処は元ブラック本丸。依存のし過ぎは、お互いに良くないからね」
火蓮さんはそれだけ言い、手紙と絵を持って帰っていった。
三日月「ーー会いたいのか??その者に」
A「…もう1度会いたい。会って、言いたい事がある。それは、手紙に書いたから良いの。なにかあれば、火蓮さんの方に連絡が行くだろうし。ーー私には、今はこんなに良い家族が居るんだよって。次会ったら、教えなきゃ」
私にも、家族が出来たんだって。…それに、私は独りじゃないと諭してくれた火蓮さんの為にも。昔の気持ちと向き合わなきゃ。向き合って、乗り越えるの。ハーデス様への想いも、あの子への想いも。
A「今度、星座や星・ギリシャ神話の本を買おうかな」
そうすれば、あの子たちの会えなくても、星座や星を見るだけでも思い出せる。
加州「買ったら、俺にも読ませてくれる??」
A「勿論。色んな話があるから、読んで好きになって貰えたら嬉しいな」
そう、話を好きになって貰えたら嬉しい。
加州「Aの事も知れるしね」
三日月「そうだな。俺にも読ませてくれ」
三日月さんに頷き返し、先を見据える。さて、悲しんでばかりじゃ駄目だから、取り敢えずは気分転換にお菓子作りね♪クッキーでも焼こうかしら??
第49振 手紙1←貴女からの想い(??side)→←第47振 私と彼とあの方と←それくらい知っていた…
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2018年4月13日 9時