第47振 私と彼とあの方と←それくらい知っていた… ページ3
Aside
ーー1時間程寝てしまったらしい。鶴さんにゴメンと謝ると、気にするなと頭を撫でられた。起きてすぐ、火蓮さんが来ている事を教えられ、慌てて審神者部屋に向かう。…あの人を、待たせるなんて…。
A「お待たせして、申し訳ございません。急においでになるなんて…」
お茶は光忠さんが淹れて、長谷部さんが出してくれたらしい。2人ともナイス!!
火蓮「連絡もなしに来ちゃって、本当にゴメンね。…今日ね、僕の方にある連絡があったんだ。ーー荷葉ちゃん、2人で話がしたいんだけど。もし2人でって言うのが嫌なら、2振り残して貰っても構わないよ。荷葉ちゃんの事だから、決まってるんでしょ??」
清光と三日月さんに残って貰い、後の鶴さん、長谷部さんには出て貰った。
A「火蓮さんには、話しておきます。この2人には、真名を伝えてあります」
火蓮「…だろうね。君の事だ、真名を教えてもまだ名前があると言いたいんだよね??」
コクりと頷き、火蓮さんを見る。彼はわかっていたとでも言うような顔をしていた。
火蓮「こんのすけに後から聞いたんだ。君が…Aちゃんが、三日月様と加州様に真名を教えたと。こんのすけがかなり君の事を庇って居たよ。お叱りは自分が受けます。だからA様をお叱りにならないで下さい、とね。…君は、誰からも愛されてるね」
…こんちゃん…。
火蓮「…出来れば、政府としては真名を教えるのは許可したくないんだけど。Aちゃんの好きにしたら良いよ。2人だけに留めておくも良し、全員に教えるも良し。…Aちゃん、“彼”と似た人に会わなかった??」
ーー“彼”…。火蓮さんが言いたいのは、依り代になっていたあの子の事を言いたいのか。
A「声も、顔も、仕草も似た…あの子ですか??…さっき会ったばかりです」
正直、心が折れそうだ。似ているあの子に、あんな態度を取られては。
火蓮「…なら、言っておこうかな。ーー彼は、本物だよ。君が会いたい人、そのものなんだ」
A「…嘘…、だって、知らない人を見ているような目をしてた。初対面と言った態度をしてた。…ぁ…」
そうだ、あの子はそう言う子だ。ハーデス様をずっと、演じていたのだから。…騙されちゃった、私まで。
三日月「A…」
火蓮「Aちゃん、彼がそう言う態度を取ったのは、理由があるんだ」
そう火蓮さんは言ってくれた。理由がある??それくらい、私でもわかる。わかるけど、寂しいんだ。私は…。
第48振 寂しいんだ←わかっているつもりだけど→←第46振 涙の痕と心の靄←俺はそんな君が…(鶴丸side)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2018年4月13日 9時