第２４振 自分の心←それすらもわからないんだ(加州side) ページ27
加州side
ーー此処の本丸で、荷葉を好きにならない奴は居ないんじゃないかな。俺だってそうだよ。荷葉…Aの事が好きだ。これが家族愛なのか、女性として愛してるのか、わからないけど。
A「加州様。どうなさったのですか??今日は非番でしたよね??」
加州「うん。荷葉と過ごそうかなと思って」
遅めのお昼を食べたA。その後、書類にまた没頭していたらしい。…呼んでくれたら良いのに。
A「そうなのですか??ふふっ、丁度書類も切りの良い所なので、良かったです。お茶の相手をして頂けますか??」
Aはお茶の準備をし始めた。…緑茶と和菓子が用意された。
A「光忠様に作って頂いた、桜餅です。道明寺と長命寺、両方作って頂きました。加州様には、長命寺の方が馴染みがあるのではありませんか??私は、道明寺の方が馴染み深いのですよ??子供の頃から食べていたので」
懐かしそうに語るAは、見ていて可愛らしい。
加州「荷葉は、どんな子供だったの??」
A「私ですか??そうですね、何処にでも居る普通の子供でした。でも、色々あったので…」
そう言えば…Aの事、あまり知らないな。聞いたら、教えてくれるかな??
加州「荷葉の事、色々聞かせてくれない??荷葉の事、知っていきたいんだ」
A「楽しい話も出来ませんが、それでも良ければ」
なにを話そうかと、考えている。仕草の１つ１つが可愛くて仕方がない。…この思いは、どっちなんだろう??
A「私、戦国武将と新選組が大好きなんです。特に、伊達 政宗公と織田 信長公。新選組では、沖田 総司さんと土方 歳三さんが。加州様と大和守様は沖田さんの刀なのですよね??当時の話を聞かせて頂きたいです」
加州「沖田くんの話、いっぱいしてあげるよ。…そうだな…」
俺が話す事、１つ１つ嬉しそうに聞いていた。目を輝かせて聞く姿は、まるで小さな子供のようで。普段のAからは、少し離れていて新鮮だった。土方さんの話も時折交ぜると、クスクスと笑う。
A「加州様から色々聞けて、良かったです。あっ、お茶が冷めてしまいましたね。新しいお茶を淹れますね」
急須にお湯を入れ、少し待つ。お茶が出るのを待っているんだ。
加州「…そう言えば、なんで髪を下ろしてるの??」
その言葉に、Aの肩が揺れた。…聞いたらいけなかったのかな??でも、気になってしまったんだから仕方ないよね。
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作者名：葦原 さくら | 作成日時：2018年2月11日 21時
