第14振 夢を見た後で←悲しくて涙が溢れた ページ17
Aside
ーー懐かしい夢だった。あの方に愛され、幸せだったあの頃の。時が巡り生まれ変わると、あの方は変わってしまわれた。私が愛したあの方は、居ないのだと思い知らされる。彼も愛したけど、最後には私を置いて居なくなったのだから。
A「ーー夢…」
上体だけ起こし、1人呟く。私しか居ないから、独り言も耳に入ってくる。
A「…もう、見ないでいたかったな…」
「審神者様、いらっしゃいますか??審神者様??」
A「…………」
声を出すのも、億劫だ。失礼しますとの声と共に、誰かが入ってきた。ーー彼は、一期一振様だ。クソアマとの夜伽以来か…。等と、頭の中で考えていた。
一期「どうなさいました??なにかお辛い事でも…」
私は首を左右に振るだけ。一期様は私に近付き、私の右頬に触れた。
一期「泣いておられます。気付いてなかったのですか??」
一期様の触れる反対の左頬に触れた。…本当だ。いつの間に、泣いていたの…??
A「ありがとうございます、一期様。全然気付きませんでした。…私が泣いていた事は、内密にお願いします。…一期様、私になにかご用でしたか??」
一期「そうでした。ーーあの時、助けて頂いてありがとうございました。あれからお礼に伺おうと何度も思ったのですが、…恥ずかしながら、言えずに時間が過ぎてしまいまして。五虎退や薬研の怪我も、治して頂いて。…感謝しております」
A「当然の事をしたまでです。昔から、ヒーリングは得意でしたから。…ゴメンなさい。
一期「お聞かせください。貴女の昔の話を」
私の昔話等。三日月様や、他の皆様も交えて話した方が良いかな。
三日月「荷葉、入るぞ」
A「三日月様、昨日の夜来てくださったのではありませんか??小狐丸様もですよね。私、寝ちゃってましたから…」
三日月「寝ていたのに、気付いていたのか??」
A「はい。昔からの癖みたいなもので。今、一期様と話をしていたのです。三日月様、私の昔話等聞いても仕方ありませんよね??」
…あらら。三日月様の表情が変わった気が…。
三日月「聞かせてくれぬか。…昨夜、話して居た事もな」
昨日の夜。…鶴丸様と勘違いしていた誰かに聞かれた話ね。面談してからが良いのだけど。
A「…わかりました。皆様との面談を終えてからでも構いませんか??」
三日月「あいわかった」
…これは、はぐらかせないな…。
第15振 面談1←色んな方が居るんだね→←第13振 犯人は新選組←主様は私が守る(小狐丸side)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2018年2月11日 21時