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紫「淳子ちゃん?布団ちょっと退けるで?」
黄「っや、!」
紫「あ、起きてたか。先生のこと怖い?」
黄「こわ、い、っ、」
口を開いてたせいで、さっきまで頑張って止めてた早い呼吸が止まらなくなってしまって。
布団の中にいるのもあって酸素が入ってこない。苦しい。
紫「淳子ちゃん、淳子ちゃん。怖かったら目瞑っててええから1回布団退かそう。」
抵抗できる力ももう残ってない。
目をぎゅっと瞑っていると布団が退かされて、身体をゆっくり起こされて。
そのままあったかい何かに包まれる。
目を開けなくても、何かなんてすぐに分かる。
この温もりに、何度も助けられて来たから。
そっ、と目を開ければ、目に入るのは先生の白衣。
先生がゆっくり背中をさすってくれるおかげで、さっきまであんなに苦しかったのが嘘のように呼吸が楽になる。
黄「せんせ、ありがとうございます、」
紫「ううん、ええのええの。ごめんな、もっと早く来てあげれへんくて。」
紫「なんか変なこと言われたりしてない?大丈夫?」
黄「…」
紫「その沈黙は、言われたんやな。」
黄「サボりだろ、とかって、」
紫「そんな酷いこと言われたん、ほんまあとであいつらしばいとくからな。淳子ちゃんがサボりじゃないのはちゃんと分かってるから。気にせんくて大丈夫やで。」
紫「よし、どうする?寝るか、先生とお話するか。」
黄「先生とおはなしする、」
紫「ん、ほなしよっか。無理せんといてな?」
黄「はい、」
先生は、いつも簡単に私を安心させてくれる。
私を見捨てずに、落ち着くまで傍にいてくれる。
その日は、先生と2人でいろんなことを話した。
Fin.
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作者名:なか | 作成日時:2023年4月1日 22時