愛情至上主義 1 (ページ4)

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紫「ほな、俺先出るから。」

桃「えっ、え、待って！俺も出る！」

いつもはお風呂出てのそのそと身体を拭いてゆっくり着替えてるのに。

よっぽど俺にスマホを見られたくないのか、いつもよりもお風呂出てからの行動がめちゃくちゃ早い。

でもやっぱりいつも遅いのんすけは俺には勝たれへんくて。

先にリビングへ入って、のんすけのスマホを掴めば。

桃「や！濵ちゃん！待って、あかんっ！」

腰周りに抱きついてきて、俺が持ってるスマホを取り返そうと手を伸ばしてくる。

ぐいぐいと引っ張ってくるのんすけを片手で宥めつつ、スマホの電源を入れれば。

紫「…わ、俺や。」

桃「はまちゃ、ごめんなさい、」

ぱっ、と明るくなる画面。

あ、これ前行ったデートの時の写真や。

画面の中央で俺が楽しそうに笑ってる。

なんや、俺の写真ロック画面にしてるんか？

でもさっき見ていろいろ言うてたのはもちろんスマホの中身やろう。

ロック画面が俺やし、パスワードも俺の誕生日やったり？

んまぁ、そんなことあるわけないねんけど。

紫「え、いけた。」

桃「へ、？」

紫「ごめんのんすけ。スマホのパスワード分かってしまったわ。」

まさか、ほんまに俺の誕生日やったとは。びっくり。

桃「濵ちゃん、お願いもう返して…」

紫「ほな、さっき何見てたかちゃんと教えてくれる？」

しゅん、と怒られた子犬のような顔をして小さく頷いたから。

スマホの中身は見ずに、のんすけに返す。

紫「んで？さっき何を見てあんなにうっとりした顔してたん？」

桃「えと、その、濵ちゃんの写真見てました。」

紫「え、俺の写真？」

どういうことや？なんでのんすけがわざわざ俺の写真なんか見てたんやろ。

桃「俺のアルバムな、濵ちゃんの写真とか動画でいっぱいやねん。あと、さっき濵ちゃん忙しそうやったし、その、」

言いにくいのか、だんだん声が小さくなっていく。

桃「…さみし、かってん。」

紫「寂しかったんか。そうやなぁ、だって最近全然会えてなかったもんな。」

少し頬を赤らめて目を潤ませてるのんすけをそっと抱き寄せる。