・ ページ48
橙「っ、おっと、」
ふら、とこちらに傾いてきた身体をそっと支えてあげれば、汚れた口からごめん、と言葉が漏れた。
橙「もうええ?ん、ほな綺麗にして楽屋戻ろうな。」
淳太くんのどろどろになってしまった手や口を拭いてあげて、とりあえず楽屋へ戻る。
ささっと淳太くんを着替えさせてあげて、俺も着替える。
橙「…わ、え、淳太くん?どうしたん、また気持ち悪い?」
着替え終わって淳太くんの方を向けば、ほろほろと涙を零していて。
気持ち悪い?って聞いても、ふるふると首を振るだけ。
橙「ほなどうしたん?」
黄「あきとのふくよごした、っ、ごめ、ごめん、」
ひく、ひく、としゃくりあげながらそう謝ってきた淳太くん。
橙「服なんて全然大丈夫やで?な、そんな気にせんといて。」
ちいさな子供のようにしくしく泣いてる淳太くんを見てるとなんか俺も辛くなって、淳太くんをそっと抱きしめる。
背中をとんとん叩いてあげていると、腕の中の淳太くんが、どうしよ、と呟いた。
橙「ん?」
黄「がまんできひんくて、みんなのまえで、はいた、めいわく、かけた、」
橙「しゃーないやん、体調悪かったんやし。淳太くんいつからしんどかったん?」
黄「あさは、おなかもやもやしてるだけやってんけど、だんだんきもちわるくなって、」
橙「そうやったんか。もう、もっと早く言うてくれたら良かったんやで?」
黄「ん、ごめん、」
ぽろぽろ零れていく淳太くんの涙をそっと拭って、またぎゅうっと強く抱き締めたる。
橙「今気持ち悪いのはどう?吐きそう?」
黄「いまはない、」
橙「ほな今のうちに帰ろっか。な。」
淳太くんを支えて早いうちに家に帰る。
ソファに座ってゆっくりしてると、隣に座ってた淳太くんが黙って袖を引っ張ってきた。
黄「あきと、きもちわるい、」
橙「っと、待ってな、はい。」
どうやらまた気持ち悪くなってしまったらしく、差し出した袋に弱々しく吐き始めた。
橙「しんどいなぁ、どうしちゃったんやろうな。」
その後も数回吐いて、ご飯もほとんど食べれへんかったけど、早めに寝てゆっくり休んだら次の日にはもうすっかり元気になってた淳太くんでした。
Fin.
215人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
兎ノ助 - 死ネタいいなー。もっと書いて…グロとか…もっと… (3月19日 21時) (レス) @page26 id: 0423cd7255 (このIDを非表示/違反報告)
なか/葡萄(プロフ) - Fujitanatsuki14さん» 気付かせて下さりありがとうございました、良かったです🥹わわっありがとうございます😭😭 (2023年3月21日 18時) (レス) id: 48fba755c2 (このIDを非表示/違反報告)
Fujitanatsuki14(プロフ) - なか/葡萄さん» ありがとうございますみやすくなりました✨主さんのお話大好きです (2023年3月21日 7時) (レス) id: a50b61fb57 (このIDを非表示/違反報告)
なか/葡萄(プロフ) - Fujitanatsuki14さん» コメントありがとうございます、目次訂正致しました。まだ分かりにくいところがありましたら具体的に教えていただけると嬉しいです。 (2023年3月20日 13時) (レス) id: 48fba755c2 (このIDを非表示/違反報告)
なか/葡萄(プロフ) - 由真さん» 分かりました!リクエストありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2023年3月20日 13時) (レス) id: 48fba755c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なか | 作成日時:2022年9月18日 12時