ケーキ王子の名推理 (ページ10)

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ショートケーキ8 ページ10

TH「お前、あの高校の生徒か？」

A「……は、はい」

TH「絶対に言うなよ」

A「へ？」

TH「俺がここで働いていること、誰にも言うな。絶対に」

……なんで？と私は思った。

A「えっと……なんで」

言い終える前に彼の右腕が頬をかすめ、後ろの壁にバンッ！と手のひらがつく音がした

A(きたっ！！！)

TH「絶対に言うな。わかったな」

凍えるほどの冷たい表情で言う

私は怯えた小動物の必死さで、こくこくっ！とうなずいた

すると、彼の体が後ろに引き、壁をついてた腕が下りる。空気が動いて、白い制服についた甘い匂いが鼻をくすぐる。

密接でこもっていた彼の温度が散っていくのを感じ、その名残を追うように首元を見る。

さりげなくきれいな綺麗な喉仏を見る

TH「わかったら出ていけ」

突き放した響き。

彼の態度には、普段の男子が感じさせる女子への遠慮が全くなかった。

『王子は女子に冷たい』

A(噂、本当だったんだ…)