ライムグリーンのトリトリコ＿ .〈 Yabu.K 〉

8.29 / ybcn ページ33

今日はJUMP全員で雑誌撮影。


今撮影しているメンバーは、ゆーや と いのちゃん。




自然に楽屋にいるのはその2人以外。








……そのうちの1人が、僕の目の前でにこにこ微笑んでいる。



「 どうしたの？なんかいいことあった？

こーた。 」



『 ね、ね、ちねん ちねんっ！

今日何の日でしょーかっ！！ 』



きゅ、急だなあ……。



「 今日？ えっと、8月29日……。

……誰かの誕生日…？えーっと……あ、！ 」

『 わかった！？ 』


「 八代亜紀さんの誕生日！

おばあちゃんが毎年きゃーきゃー言ってたなあ…。


こーた、八代亜紀さんがどうしたの？ 」

『 ちーがーうーっ！！ちがうちがうー！！ 』


見てわかるくらい機嫌損ねた。

ほっぺ膨らませて、眉間にしわ寄せて。


こーた、本当に27歳なの？





「 違うのー…。んで？なんの日なの？ 」

『 えっと、8月29日。

語呂合わせで読むと、“ やきにく ”！！
焼肉の日なの！！




だから、一緒に飯、焼肉食いに行こ！！』



さっきの膨れっ面が嘘だったかのように

いつものこーたの笑顔で、

目尻めちゃめちゃ下がってるし、お口がゆるゆる。




僕よりも背が高くて、

僕よりも脚長くて、

僕よりも断然 かっこいい。



でも、僕に劣らず 可愛い。


……まあ？ 僕の方が何倍も可愛いけど！！




「 良いけど、奢ってくれるのー？ 」


『 おう！なんでも食え！…って言いたいところだけど、そこは遠慮してよ。

俺の財布は底なし沼じゃねーから。 』




いつも、こーた そう言うけど、


僕の分まで注文してるのこーただし、

僕に「遠慮せず食えよ」って最終的に毎回言うのこーただし、

いつも僕が財布出す前にさっさと会計済ませてるのこーただから。





ほんと、さり気なくやってて かっこいいんだから。






「 んじゃあ、特上1皿だけならいーい？ 」

『 っは、！？特上はやめろ！俺ほんとにやばいから！！ 』

「 うっそーん。 」


『 っ…ぉ、俺はちねんをそんな風に育てた覚えねーぞ！！ 』

「 ははっ…たしかに育ててもらってるかもだけど、それとこれは別ですー。 」



『 ……もー。後で覚えてろよー！！ 』








･





Fin.

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