八 ページ8
.
「……___様」
「…__蝶様」
「帰蝶様」
「んん…？」
なんだ、花果か。
「お時間にございます」
そういえば、そうだった。まだ眠たさが残ってる顔をあとが残らない程度に叩き、重い着物でやっとこさ立ち上がり、大広間へ向かった。
「帰蝶様、お成りでございます」
織田の家臣であろう男の声がそう聞こえた。
ああ、バカ殿思い出した。おなぁ〜りぃ〜。てね。はは。はい、なんでもないです。
目を閉じ、そしてぐっと見開き大広間へ足を踏み込んだ。
織田の家臣らは俺を見て目を見開いている者、口があんぐりと開けている者、目を擦る者、鼻の下を伸ばす者、顔を赤らめる者までいた。
つか、鼻の下伸ばすな。こっちの気にもなれや。
「なんと…美しい…」
「流石、蝮の娘…！」
「まさに絶世の美女よ…！！」
「玉のようだ」
家臣らは俺に魅入り、口々に言葉を溢した。
つか、玉ってなんだオラ。丸いって言いたいのか。斬るぞコラ。
嘘、宝石のようだ、てことだろう。嬉しくねぇよ。
ただ、顔色一つ変えなかった者。
恐らく重臣と織田信秀、その息子信長、信行。それと、小姓の一人。といったところか。
上座に座る織田信秀。その両
イケメンかクソ。親子全員イケメンとか人生の勝ち組。
あ、でも俺の兄上も父上もカッコいいし？
え、負けないし。俺だって人生の勝ち組なんだし？
…さて、俺は一人でなにを張り合っているのだろうか。
俺は、信秀の正面に座った。
「斎藤道三が…む、…娘。帰蝶にございます。
帰蝶、濃姫、A、お好きにお呼び下さい。
本日は私のような者を迎い入れていただきありがとうございます。
どうぞ、よろしくお願い致します」
家臣ら、信秀らの視線が突き刺さる。
最後に頭を上げ、上座の信秀をしかと見据える。
うわ怖ぇ…。やだやだ、帰りたい〜。
すると、織田信秀がやっと口を開いた。
「尾張までお越し頂き、感謝申し上げまする。私は、尾張の織田信秀。
A殿、この度は、信長との婚姻を受けて下さり誠に感謝しておりまする。
どうぞ、よろしくお願い申し上げまする」
婚姻を受けて下さりつーか、強制なんだけどな。
そしてぐっと深々と礼をする三人。…で、信秀はわかったけど信長どっちだよ。
優しい雰囲気な奴と目力で一人殺れそうな奴。
大体予想はつくけどな。
どうせ、目つき悪い方が信長だろうな。だって怖いもん。(偏見)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1211人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛之助(プロフ) - 安奈さん» その件は存じております、「乱」と記されていたこともあったので初期は乱丸としていますご了承ください。指摘が多かったので、後編の方では蘭丸に変更しました。ご心配ありがとうございます。 (2月21日 19時) (
レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
安奈(プロフ) - 森蘭丸のらんは花の蘭だったはずです。ご確認下さい。 (2月21日 19時) (レス) @page17 id: dd0f887606 (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗＠別垢(プロフ) - うふふ…腐腐腐…尊い…腐腐腐腐腐… (2月10日 21時) (レス) @page37 id: 3c14d32f91 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - あっ文の構成とか何までクソ好きです……オリジナル作品でこんなに良い作品初めて出会いました有難うございます(土下座) (1月21日 17時) (レス) id: 006bd7f18c (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 容音さん» 自分のプロフ見てみたら、通知出来ていないですかね…？説明が下手で申し訳ないです！ (2021年5月17日 0時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：大手裏剣
x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/10edaabbfe1/
作成日時：2018年6月26日 14時
