四十 ページ40
「先生、そう言えば教科書とか見つかりましたよ」
「え、どこにあったんだよ」
「信長さんの部屋です」
まじかよ。見つかってたら半殺しにされてたぞ、ソレ。
え…もしかして、信長見たのか…?いやでもひらがなとかあるし…。
「未来は変わってませんよ。信長さんは本能寺で討たれてます」
「そ、そっか…」
荒川は俺を見てニヤリと笑った。
「なにをそんなに落ち込んでるんですか。尊いマジむりしんどいんですけど」
「落ち込んでない」
「はいはい。兎に角、信行さんの謀反は確実。あんまり関わりすぎると先生も巻き込まれるかもしれませんから、少し引かないと」
謀反は変わらないのか…じゃあ、信行は信長に殺される…。
「あんなに、優しいのに?」
「二股ですか。」
「いや、なんでそういうことに…」
「それは信長さんもわかっていると思います。まさか、兄弟で同じ人を…ふふ」
コイツ、すぐに自分の世界に入りやがる。
「意味わからん」
すると、背後でどさっと人が倒れる音がした。振り返えると、荒川が庭に下りて複数の兵と睨み合っていた。倒れた音は、荒川が倒した一人だった。
「先生、逃げて」
この兵の軍旗…信長は黒だったはずじゃなかったか…?
とりあえず、俺は部屋にある刀を持ち、他の戸から出た。が、刀を持った兵が少し離れて立っていた。
目的はなんだ。俺か?
まぁ、いいや。と、羽織を脱ぎ捨て、鞘から刀を抜いた。
「○に代わってお仕置きだ」
「やあぁ!!」
力任せに振った刀は空を切った。俺はその隙に兵の肩を突いた。兵は床に倒れて、肩を手で押さえていた。俺の顔にはそいつの肩から飛び散った血がついた。
俺は殺しはせず、兵達に刀を握れないようにした。何人かは怯えて逃げていった。
「おい、誰の命令だ」
手のひらに刀を当て、聞いた。
「…我が主、織田信行様だ」
「嘘を言うな」
「信行様によって尾張は生まれ変わる!!残虐な信長を倒すのだ!!」
残虐じゃない。誰でも殺すわけじゃない。
「知った口を聞くな」
俺の持っていた刀は無意識にソイツの手を抉っていた。
「A」
「…ッ」
俺は聞き覚えのある声にゆっくりと振り向いた。信長が立っていた。
「手を離せ、あとは
「…わかった」
俺は刀を奴の手から抜き、一振りして鞘に収めた。さっき、自分が憎悪で真っ黒になっていた。
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愛之助(プロフ) - 安奈さん» その件は存じております、「乱」と記されていたこともあったので初期は乱丸としていますご了承ください。指摘が多かったので、後編の方では蘭丸に変更しました。ご心配ありがとうございます。 (2月21日 19時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
安奈(プロフ) - 森蘭丸のらんは花の蘭だったはずです。ご確認下さい。 (2月21日 19時) (レス) @page17 id: dd0f887606 (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗@別垢(プロフ) - うふふ…腐腐腐…尊い…腐腐腐腐腐… (2月10日 21時) (レス) @page37 id: 3c14d32f91 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - あっ文の構成とか何までクソ好きです……オリジナル作品でこんなに良い作品初めて出会いました有難うございます(土下座) (1月21日 17時) (レス) id: 006bd7f18c (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 容音さん» 自分のプロフ見てみたら、通知出来ていないですかね…?説明が下手で申し訳ないです! (2021年5月17日 0時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/10edaabbfe1/
作成日時:2018年6月26日 14時