二二 ページ22
「…ん…」
くすぐったい…。
重い瞼を開けると、横に猫が丸くなって寝ていた。
誰かが部屋に入ってきた。
「ようやく、お目覚めですか。帰蝶様」
表情には全く現れていなかったが、声から悔しさが分かった。
「…あぁ。どれ位寝てた」
「二日程です。
申し訳ございません、護衛でありながら傍で支えられることが出来なく…」
俺が悪いんだけどな…。俺は謝られるのはもう御免だから花果の言葉を遮って俺は話し始めた。
「花果。俺の代わりにできるだけ人を集めてくれ、斎藤龍亜の名で。_______年までだ」
「は…はぁ…帰蝶様…?それはどういうことで…?」
困惑が読み取れた。まさか、俺が兵を率いるとそれで驚いてるんだろう。
「…少し気が変わった」
____________________________
「…また、信長に助けられたのか。…あんな口聞いてよく俺に構うよな…」
案外、心広いのか?…いやいや、ないな。ドSだよ。サディスト。
「余裕がないような顔でいらしてましたよ」
花果は少々面白がっているような声で言った。
「信長が?」
心ないだろ〜、俺なんかに動かされるわけ。
「他に誰がいるんですか」
「まさかぁ…」
「まぁ、信じずともよろしいですよ。では、失礼します」
花果は消えるようにいなくなった。しばらくして周りが騒がしくなってきた。
「信秀様の容態が急変した…!医者を呼べ_!!」
誰かさん丁寧に説明どうも。俺はわざわざあんな重たい服を着るのも面倒だから、着流しにもう一枚羽織りを着て部屋を出た。二日も寝たからか痛みは消えていたが、少し体がなまったかもしれない。
「先生っ!!」
「うおっ!?」
襖を開けるとすぐ横から荒川が出てきた。
立ったと思えば、あっ!と言って俺の方に倒れてきた。なんだなんだ?
「お前ずっとここに正座してたの」
「はい、あの人に先生が起きるまでここに座ってろと言われたので。あ、ご飯はもらいましたよ」
そりゃ痺れるわ…つか、まずよく一瞬でも立てたわ。
「あの阿呆。鬼だ…いや魔王か。第六天魔王だやっぱり、心ねーもん冷たいしドSだし」
冷酷非道ってやつ?うん、信長に合ってるわ。非道かはわからんが。
「言いたい放題ですね…。あの人、やっぱり織田信長なんですね」
「信長の前では何されるかわかったもんじゃねーから。そーだよ、お前を殺そうとしてたのが信長だ」
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愛之助(プロフ) - 安奈さん» その件は存じております、「乱」と記されていたこともあったので初期は乱丸としていますご了承ください。指摘が多かったので、後編の方では蘭丸に変更しました。ご心配ありがとうございます。 (2月21日 19時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
安奈(プロフ) - 森蘭丸のらんは花の蘭だったはずです。ご確認下さい。 (2月21日 19時) (レス) @page17 id: dd0f887606 (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗@別垢(プロフ) - うふふ…腐腐腐…尊い…腐腐腐腐腐… (2月10日 21時) (レス) @page37 id: 3c14d32f91 (このIDを非表示/違反報告)
サラミザラ(プロフ) - あっ文の構成とか何までクソ好きです……オリジナル作品でこんなに良い作品初めて出会いました有難うございます(土下座) (1月21日 17時) (レス) id: 006bd7f18c (このIDを非表示/違反報告)
愛之助(プロフ) - 容音さん» 自分のプロフ見てみたら、通知出来ていないですかね…?説明が下手で申し訳ないです! (2021年5月17日 0時) (レス) id: 71bd857e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/10edaabbfe1/
作成日時:2018年6月26日 14時