これは不整脈 ページ8
普段はいっくんとかっちゃんの後ろで可愛く「まってよー」なんてしてる女子がいきなり痛いとこを突いてきたからか、男子数人はブチギレた。
「おまえ！ ちょっとすごい«こせい»もってるからっていいきになりやがって！」
「いいこぶんなよな！」
うわぁ(ドン引き)逆ギレかよ……
「おまえなんてこうだ！」
は？ え、そこで«個性»使っちゃうの？ あ、やっば怪我するわこれ。
「っ！ 痛ったぁ……」
「はっ！ なまいきなこというからだぞ！」
いや、これ私が先生に言ったらお前ら負け確なんだけど。
その瞬間、私に傷をつけた男子が奇妙な声をあげて倒れた。ん？
「おまえ！！ なまえになにしてんだ！！」
「なまえちゃんだいじょうぶ？！ じゃない！！ ちがでてる！！」
「へ？？」
素っ頓狂な声あげたけど私は悪くない。なんでそんなナイスタイミングで現れるの？？ 王子様なの？？ え、私王子様侍らせてたの？？
「かっちゃん？？ あの、私かすり傷だから、ね？？」
「なまえにケガさせたことにかわりはねえよ！ おまえらぜんいんぼっこぼこにしてやる！！ いずく！ なまえ！ さがってろ！」
「うん！」
いやいっくん、「うん！」じゃないよ！ 止めて！！
結果として、辺りにはからかい男子数人がのされている光景が広がった。やりすぎじゃないですかね(震え声)
その後、先生達が駆けつけて来たが、私が1から状況を説明すると、かっちゃんが«個性»の加減について少しお説教を食らっただけで済んだ。男子共は次の日から来なくなるがそれはどうでもいい。
「なまえおそくなってごめんな」
「なまえちゃん、けがいたいよね……ごめんね」
「だいじょうぶ！ 2人がきてくれたからへいきだよ！！」
やめてショタのしょんぼり顔は私に効く。いくら大丈夫、平気だと言っても強がりだと思われてるので、ヒーローをダシに使わせてもらおう。
「2人共カッコよくてヒーローみたいだったよ！！」
「！！ きめた！ おれ、なまえをまもれるヒーローになる！」
「ぼくだって！ オールマイトみたいなヒーローになってなまえちゃんをまもる！」
どうしてそうなった。お願いだからみんなのヒーローになって。
「いずくは«むこせい»だからヒーローよりサポートだろ」
「やってみなきゃわかんないだろ！」
「それもそうだな」
「「なまえ/ちゃん」」
ぴったり同時に話しかけられ続きを促す。
「「オレ/ぼくがずっとまもるから」」
そう言う二人は御伽噺の騎士のようだった。
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作者名：闇猫アリス | 作成日時：2019年2月17日 20時
