１８話 ページ19
．
3日も眠っていて動きは相当鈍くなっているはず
なのに何だこの俊敏さは
もし完全に回復したらこれ以上ってことか？
ゾムは攻撃をしのぎながらそんなことを考える
ゾ「(それにこの目…)」
正面から向かってくる無感情の瞳が酷く恐怖だ
Aの目はゾムを見ているが何も映してない
ゾムを見ているようで何も見ていない
何も考えず、ただ体を動かしている
ゾムはナイフを振るが容易く避けられてしまう
ゾ「なんやねん、その目」
ナイフを向けAの目を見つめた
何も考えてない、彼女は空虚だ、無だ
ゾ「何を考えとんねん」
「…何も考えてないですけど」
数秒考える素振りを見せ、そう答える
ゾ「何も考えてない…？」
戦う時は勝ちたいとか負けたくないとか
次の攻撃は何にしようとかを考えるはずだ
戦闘中に無で戦う奴なんて居ない
だがこいつは本当に何も考えてなさそうだ
「逆に今なに考えてます？」
Aが逆にゾムに質問した
ゾムは思考を読まれないために答えない
「読まれるのが怖いですか？」
ゾ「…なんやと？」
Aはくすくすと笑う
「今何も考えないようにしましたよね？」
ゾムはぐっ、と言葉に詰まった
「図星ですか？だとしたら結構安直ですね」
煽っている
戦闘中に煽るのは敵の思考を掻き乱す良い行いだ
「別に勝とうだなんて考えてないですよ」
ゾ「勝ちたくないんか？」
ゾムの言葉にAは頷く
「勝てない相手に抗うほど馬鹿じゃない」
Aはナイフをくるくると回しゾムを見る
またあの目だ、何も考えてない空虚な目
ゾ「じゃあ、何で戦うんや」
「…さぁ？」
Aはにこっと笑って踏み込んだ
身構えた瞬間突っ込んで来て体勢を崩される
「アンタは今何を考えてる？」
口角は上がっているが目が笑ってない
一切の光を宿してない濁った闇が広がっている
ゾ「くそっ」
ゾムはAが持っているナイフを蹴り上げ
武器を持たないAの首筋にナイフを当てた
「参りました」
Aは大人しく両手を挙げる
ゾムは首筋からナイフを離した
ゾ「お前、強いやんけ」
「…ありがとうございます」
まさか褒められるとは思ってなかったのか
一瞬ポカーンとしたあとAは笑顔になった
戦闘中の底知れぬ恐怖を感じる笑みではなく
花が咲いたような可憐な笑顔に心臓が跳ねる
大「すご…」
一連の流れを見ていた大先生はそう呟いた
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なんとなく(プロフ) - 琥珀糖さん» コメントありがとうございます。わざわざ教えて頂いて申し訳ないです…教えて頂いたサイトに確認して参ります。 (2023年5月2日 20時) (
レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖(プロフ) - なんとなくさん» 匿名R様とらう様ではなくすみせん。以前私も別サイトで同じような作品を見かけたことがありまして…。多分お二人様と同じものだとは思いますが…。プリ小説の、yukiさんという方の、「こんにちは、自爆テロしに来ました」だと思います。 (2023年5月1日 22時) (レス) id: cf2e70fb38 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - 匿名R様、らう様コメントありがとうございます。返信が遅れてすみません、現在自分は他のサイトでは活動しておらず宜しければそのサイト名を教えて頂けると助かります。 (2023年4月12日 18時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
らう - 突然で申し訳ないんですけど、他のサイトにもこのような作品があるんですけど、主さん他のサイトでも活動していらっしゃるんですか? (2022年10月13日 15時) (レス) @page5 id: d093ea2b94 (このIDを非表示/違反報告)
匿名R - 初めまして、突然すみませんが別サイトにて似たような作品がありましたが、主様は別サイトでも活動などしておられますか…？ (2022年4月25日 19時) (レス) @page3 id: 368b9c4177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2019年12月15日 17時
