８３話 ページ36
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私が演習場に着いた頃には８割が訓練を終えて
休んでいたり片付けたり帰ったりしていた
皆が帰っている中、やっと訓練に取り掛かる
いつもよりペースを上げて走っていると
ロッカールームにいた先輩方が私を見て
何か話していてくすくす笑っているのがわかった
その様子に舌打ちして走り続ける
いつもの訓練よりペースを上げていたからか
案外早く終わり手合わせしてくれそうな人を探す
しかし先に訓練を終えている一般兵たちは
さっさと帰って行き対戦してくれる人がいない
「(…もう帰っていいかな)」
ムカついてきて帰ってやろうかと思ったとき
こっちに向かってきたナイフを払い落とす
視界の端にチラついていたので素早く反応できた
ゾ「おつかれさま、俺が相手になったるわ」
ゾムさんはニヤニヤしながら近付いてくる
そのニヤついている表情にすら腹が立つ
「ありがとうございます、助かります」
ぺこっと頭を下げた
「手加減なしでいいですよね」
私がそう言うとゾムさんは心底嬉しそうに
口角を上げてもう一本のナイフを構える
ゾ「当たり前やん」
私はゾムさんが投げてきたナイフを構えた
ストレス発散、ただの八つ当たりかもしれない
それでもこの行き場のない苛立ちを
うまく発散する方法を思いつかないので
とりあえずゾムさんと手合わせすることにした
歓迎会でやり合ったとき以来なので
ゾムさんが嬉しがっているのと同じくらい
私もワクワクしていた、実際楽しみなのだ
強い人と戦うのはとても楽しい
しばらくの静寂が演習場を包む
ゾムさんが踏み込むのを確認して私も踏み込み
2人とも同タイミングで飛び出した
衝突したナイフが火花を散らす
お互い目を合わせて口角を上げ距離を取った
ゾ「お前体力バケモンやな」
そう言うと瞬時に踏み込んで
私が踏み込む体勢をつくる前に突っ込んできた
突き出されたナイフを避ける
頬をかすり血が垂れるが気にせず腹を蹴飛ばした
衝撃で後ろに下がりげほっと咳き込んだ
ゾ「やっぱ強いな」
そう呟きナイフの刃先を向ける
「私は負けませんよ」
イラついているおかげで絶好調だ
ゾムさんは痛そうに顔をゆがめるが気にせずに
距離を詰めナイフを突き出した
しかし軽々と避けられて拳が向かってくる
とっさにしゃがみ込みなんとか回避した
しゃがみ込んだがゾムさんの足が向かってくる
「(やば、さすがに避けられない)」
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なんとなく(プロフ) - ひなひなひなひなさん» コメントありがとうございます！番外編の更新も頑張りますのでこれからも宜しくお願い致します！！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - 最初にリリーちゃんが悪役になりそうとか思ってた自分をぶんなぐり。。たくはないな。本当に面白かったです！ありがとうございました！番外編も楽しみにしてます！ (2020年4月20日 12時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - コメントありがとうございます！番外編も新作が落ち着いたら投稿しますのでそちらでもまた楽しんで頂けたら幸いです (2019年12月19日 11時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
koba-koda(プロフ) - 完結おめでとう！すっごい面白かったです！題名と、話の内容が合いすぎて、最後の、「強すぎて困ってます！」ってところで、泣きましたww (2019年12月19日 1時) (レス) id: 32e8ffc3b6 (このIDを非表示/違反報告)
甘糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！番外編待ってます！ゆっくり更新してください！ (2019年12月16日 0時) (レス) id: fd61314f8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2019年11月23日 16時
