８１話 ページ34
．
軍服を切り刻まれてすっかり気分が悪くなった
私たちは早めに食堂へ向かってご飯を食べていた
軍服をどうしようかと話していると
ふいにこちらを見てくる視線に気づいた
「(なんや？)」
そちらに顔を向ければ一般兵の人達が
固まってこちらを見ながらコソコソ話している
目が合えばそらされた
さっきから感じていた違和感の正体はこれか
食堂に入ってからなんか変な感じがすると
思ったら一般兵の人達に見られていたらしい
しかもコソコソと話している
ハッキリ言うと気分が悪い、見んなやボケ
一体なんの用があってこっち見とんねん
「リリー、私達見られてるよね」
リ「うん、見られてる」
リリーはご飯を食べながらそちらを見る
どうやら私達は人気者らしい((
「なんか変な感じやね」
入隊したばかりのときゾムさんを倒してから
一時期注目を浴びたが視線の意味が違うようだ
今回は明らかに感じが悪いものばかり
リ「もう行こう」
「そうやな」
立ち上がってリリーと一緒に食堂を出る
その際も何やらくすくすと笑い声が聞こえるが
それらを全て無視して廊下を歩く
リ「…やだね」
「うん」
部屋に戻ってからもリリーは軍服を見ていて
いたたまれない気持ちになった
軍服はまた注文すればいいけど
リリーはとってはそういう問題じゃないはずだ
軍服を気に入っていたリリーにとっては宝物で
ここの軍人だと証明するとても大切なもの
それを切り刻まれたんだ、気分も沈む
リ「私、なにか悪いことしたかな…」
リリーがぽつりと呟く、その声は震えていた
リ「新兵が前線に出ちゃいけないのかな…」
再びリリーの瞳から涙が零れ落ちた
「そんなことないよ、リリーは悪くない」
リリーは軍服に顔を押し付けて声を押し殺す
嫌がらせを受けていて溜まっていたストレスが
爆発したのか体を震わせて泣き始めた
私はリリーを抱きしめる
「リリーは悪くないよ、よく頑張ったね」
足をかけられたり悪口を言われたりしても
負けじと毎日訓練に出ていたリリーはとても強い
嫌がらせを受けていても私の前では笑顔を
絶やさなかった、気付けなかった自分が憎い…
んでリリーを泣かせた奴らはマジで許さん
誰かわからんから手当り次第に引きずり回したい
もうそのくらいキレてる、マジで腹立つ
とりあえず食堂で見てきてた奴らもどつきたい
なんか思い出したら腹たってきた！！！！
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なんとなく(プロフ) - ひなひなひなひなさん» コメントありがとうございます！番外編の更新も頑張りますのでこれからも宜しくお願い致します！！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - 最初にリリーちゃんが悪役になりそうとか思ってた自分をぶんなぐり。。たくはないな。本当に面白かったです！ありがとうございました！番外編も楽しみにしてます！ (2020年4月20日 12時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - コメントありがとうございます！番外編も新作が落ち着いたら投稿しますのでそちらでもまた楽しんで頂けたら幸いです (2019年12月19日 11時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
koba-koda(プロフ) - 完結おめでとう！すっごい面白かったです！題名と、話の内容が合いすぎて、最後の、「強すぎて困ってます！」ってところで、泣きましたww (2019年12月19日 1時) (レス) id: 32e8ffc3b6 (このIDを非表示/違反報告)
甘糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！番外編待ってます！ゆっくり更新してください！ (2019年12月16日 0時) (レス) id: fd61314f8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2019年11月23日 16時
