６１話 ページ14
．
ウ「っ゛…」
ナイフが刺さった所からはじんわりと出血し
殴られたせいか頭がフラフラする
どれだけ殴られても蹴られても刺されても
抉られてもウルフは絶対に声を出さなかった
声を上げることは絶対にしない
それだけが今自分の出来ることだ
何をされても絶対に相手に屈しない
しかしその反応が国王の加虐心を煽るのだ
声を上げないなら声を上げるまでやろう
それをＤ国の国王はゲーム感覚で行っていた
始まってから何時間たっただろう
いや、実際そんなに経ってないかもしれない
地獄の時間はまだ続く
意識が朦朧としまた胃がムカムカしてきた
もう限界だ、諦めてしまおうか…いやまだいける
そんな葛藤を繰り返していると外で大きな音が
鳴って国王の手がピタリと止まりそちらを向いた
国王「何だ？」
部屋にいる軍人に見てこいと命令した時だった
勢い良く扉が開いて軍人が激突する
国王「なんっ」
「おーいウルフー！生きてるー？」
伸び伸びとした声が部屋に響く
ウ「…Aっ？」
顔を上げて扉の方を見るとナイフを手に持ち
返り血まみれで立っているAがいた
「お、生きてた」
ニッコリと笑うAは床に倒れた軍人を
踏みつけてこちらに近付いてきた
「おいお前、私の仲間に何してくれてんの？」
Aはそう言い国王に刃を向ける
「おっさん、お前に聞いてんだけど」
何も言えない国王に肩をすくめてため息をつく
ズカズカと近付いてくるAを恐れ
国王はウルフにナイフを向けた
国王「それ以上近付いたら刺すぞ！！」
「やってみろ、やったら私がお前を刺す」
Aがナイフを握りしめミシッと音が鳴る
ナイフの柄が握り潰されていた
怒ってる、Aがガチギレしてる…
ナイフを向けられている事実よりも
Aがガチギレしていることの方が怖い
国王「っ、近付くな！！！」
「近付いてほしく無かったらウルフを離せよ」
国王はナイフをAに向けたまま離れていく
Aはウルフの元へ駆け寄り拘束を解いた
「立てる？」
ウ「立てる、と思う」
ゆっくり立ち上がる、足腰は無事なようだ
「よし、じゃあ行こう」
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なんとなく(プロフ) - ひなひなひなひなさん» コメントありがとうございます！番外編の更新も頑張りますのでこれからも宜しくお願い致します！！ (2020年4月20日 14時) (
レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
ひなひなひなひな - 最初にリリーちゃんが悪役になりそうとか思ってた自分をぶんなぐり。。たくはないな。本当に面白かったです！ありがとうございました！番外編も楽しみにしてます！ (2020年4月20日 12時) (レス) id: 2e0228b2c8 (このIDを非表示/違反報告)
なんとなく(プロフ) - コメントありがとうございます！番外編も新作が落ち着いたら投稿しますのでそちらでもまた楽しんで頂けたら幸いです (2019年12月19日 11時) (レス) id: 963a8785fe (このIDを非表示/違反報告)
koba-koda(プロフ) - 完結おめでとう！すっごい面白かったです！題名と、話の内容が合いすぎて、最後の、「強すぎて困ってます！」ってところで、泣きましたww (2019年12月19日 1時) (レス) id: 32e8ffc3b6 (このIDを非表示/違反報告)
甘糖(プロフ) - 完結おめでとうございます！番外編待ってます！ゆっくり更新してください！ (2019年12月16日 0時) (レス) id: fd61314f8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2019年11月23日 16時
