【d!】叩けば良いのです

１８話．悪どい一面 ページ20

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「なるほど、対価は何をお望みで？」


外交官「対価だなんて、そんな物は必要ない」






ヘラヘラ笑いながら手を振り
支援に対しての“お礼”は必要ないと口にした






外交官「私共はただお役に立ちたいだけです」






そういう取り引き的な話は
尚更、総統側近ではなく総統にするべきだろう






「そういう話でしたら私は許可を出せません」


外交官「何故です？総統に頼んでみては？」






総統に頼め？

この男は総統側近をそういう目で
見ているのだと理解して一気に嫌気が差してきた






外交官「側近でしたら出来るでしょう？」


「申し訳ありませんが出来るかどうかは…」






そもそも支援をしたいのであれば
側近を介さずして総統に交渉すれば良いものを






外交官「お強請りしたら良いじゃないですか」


「お、おねだり？」






こいつ何を言っているんだ？

おねだりだなんて小さい子供じゃあるまいし






外交官「おや、側近に就けたのもそうでは？」


「…何が言いたいんですか？」






話が見えず、不快感を表して眉を寄せた






外交官「お強請りしたんじゃないんですか？」


「(なるほど、これは馬鹿にしてるな)」






Aが総統側近になったのも
グルッペンに媚びを売ったからだと言っている






外交官「女性は良いですね、色々と使えて」






ジロジロと舐め回すように
スーツを纏った体を上から下まで凝視してきた






外交官「あの総統も見る目は肥えていますね」






外交官は自身の近くに立つ
連れの警備人と顔を向かい合わせて意地悪く笑う






「(…腹立つ)」






チーノが言っていたことは大当たりだ


こちらを下に見ていて
それを躊躇うことなく言葉にして不快にさせる


先程の話を渋った瞬間からその面を出してきた






「…すみません、どういう意味でしょうか？」






落ち着け、冷静に






外交官「まぁ、わからないほうが良いですよ」


「(こいつ、明らかに私を軽視してる)」






経験値は足りないかもしれないが
実力だけ見たらこの外交官よりも上だと思うが

女性というだけでここまで舐められるものなのか






外交官「では先程の件は許可待ちという事で」


「いえ、許可など必要ありません」






え？という間抜けな表情を見せてくる






外交官「総統に話を通してくれるのでは？」


「ですからその必要は無い、と言っています」






こちらは対照的に笑顔を浮かべた

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