１９話．見られた ページ21
．
一方、Aは戦闘の後
医療班の人に治療を施されて自室に戻っていた
「あー、つかれた」
入浴は治療の前に済ませたので
何の気兼ねもなく背中からベッドに倒れ込んだ
「…トントンさん、落ち着いてくださいよ」
トントンは先程からずっとそわそわしている
今までずっと見えなかった幹部が
急に自分を視認して名前を呼んだのだから
そわそわして落ち着かなくなる気持ちもわかるが
ト『なんで急に見えたんや！！？』
いつになく気持ちが昂っているせいか
部屋の家具や小物が音を立てて揺れ始めていた
所謂ポルターガイストのようなものだ
「落ち着いて、物が倒れたら危ないですから」
冷静に宥めているが
内心焦っているしトントンと同様に昂っている
ト『A！なんでやと思う！？』
「うーん、何となく理由分かりました」
Aには一つだけ心当たりがあった
ト『うっそ、お前わかったん？』
「はい、だから話したいんで一旦動き止めて」
天井付近をぐるぐる飛び回っているのを
止めてもらって静かにさせたところで話し始める
「私達、あのとき絞め技をかけてましたよね」
ト『せやな、気絶させるためにしてたな』
呼吸が出来なくなり苦しみ藻掻いて
あの時シャオロンは間違いなく「死」に近付いた
「死に近付いた人は“見える”らしいんです」
その境界線を越えようとした人は
体質関係なくそういう類いのものが見えるらしい
以前、図書室で読んだ本にそう書いてあった
ト『じゃあシャオロンは気絶しかけてたから』
「…トントンさんが見えたんだと思います」
今も見えるかはわからないが
気を失う直前の一瞬だけは確実に視認していた
「私は体質だから常に見えてますけどね」
だがトントンを視認したとなれば
これから間違いなく面倒な事に進展するだろう
いつものワンフレーズも聞こえてただろうから
ト『お前ガッツリ名前呼んでたけど大丈夫か』
「いや、大丈夫じゃないと思います」
シャオロンが他の幹部に言わなければ
面倒事は回避出来るが間違いなく彼は言うと思う
「(バレた場合、どうやって説明したら…)」
幹部達にトントンの事が知れ渡れば
必ず質問攻めに合うだろうし、説明の仕方は？
幽体離脱して取り憑いてるなんて言ったとしても
ト『信じてもらえんで』
ですよね、とため息を吐いた
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るか(プロフ) - こんな神みたいな小説をありがとうございますすごく泣けました！！！！ (2022年10月26日 21時) (
レス) @page44 id: 8ee7b90455 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ - ちょっと待って！？貴方様だったんですか！？なーちゃん！？…崇めます。うちの大好きな小説の作者様だったなんて…。この小説本当に好きです！！何回も読みました…！！tn氏の小説もっとください…。←(tn氏最推しの人) (2021年6月12日 3時) (レス) id: 55536975a6 (このIDを非表示/違反報告)
moz(プロフ) - 何周目か分かんないくらい読み込んでおります…！途中ヒヤヒヤするところで心拍数がぶち上がりました。神作者様の他の作品も読んできます〜！（追記ですがこの作品によく似た作品がありました。タイトルは 幽体離脱してた件 です。気のせいだったらすみません。） (2021年1月22日 18時) (レス) id: db48de9f7d (このIDを非表示/違反報告)
ハト - 神 (2020年12月8日 3時) (レス) id: f0bbbc5cbd (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 完結おめでとうございます！まだ二話くらいしか出ていなかった頃にこの作品を見つけて、ふと思い出してぶっ飛んできたら完結してました。途中はどうなるかとこちらもヒヤヒヤしましたが、最高の作品でした！神様ですね。神作品をありがとうございました！ (2020年11月22日 11時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんとなく
| 作成日時：2020年8月9日 17時
